イズァローン伝説のレビュー
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4点 Scroogeさん
中世ファンタジー世界での小国イズァローン。
2人の王子、ティオキアとルキシュの数奇な運命を描く。
祖国を出て世界を放浪しながら魔族の世界に近づくティオキアと
国を継ぎ王として成長するルキシュ。
序盤の出来は抜群。
ティオキアなら国を出て旅がスタートするあたりまで。
ルキシュなら若輩の王として国をまとめていくあたりまで。
物語の最重要人物ティオキアは、男女同性体かつ半人半魔。
常に両極端に引き裂かれる彼の描写はどうしてもどっちつかずになる。
中盤以降は場当たり的に派手な魔法が紙面を埋めることになり、
ティオキアに関わる人物は全て彼に振り回されるだけになってしまう。
ルキシュは王であり男性として素性が定まっているため、話は整理されている。
しかしながら、こちらは独自の工夫がなくありきたりな印象。
(発表当時と現在の環境の違いは考慮すべきだが)
ラストは成長したティオキアとルキシュが出会い、
世界の秘密に到達する。これもオチとしては強引な感があり弱い。
ティオキアとルキシュがどうなってしまうの?という視点で見れば宝石箱のような作品。
2人が何者なのか、あるいは何者になろうとしているのかで見ればガラクタ。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-09-22 16:43:11] [修正:2011-09-22 16:43:11] [このレビューのURL]