「rosenhoma」さんのページ

総レビュー数: 3レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年04月22日

[ネタバレあり]

とにかく『強くなるには練習するしかないんだ!』という主人公たちの姿が非常に格好よい、『努力・友情・勝利』が合言葉だったころのジャンプらしい作品。
 もうとにかく『こいつら練習のしすぎで死ぬんじゃなかろうか?』と思うほどの練習量を誇りながら、それでも甲子園に、かれらはいけません。それでも、甲子園にいつか出場できると信じて止まない主人公達の姿は見ていて非常に清々しい。作り手が野球という競技と、その周りで『頑張ってる』人達のことを心底愛しているのが伝わってくるような話運びは『もういいから勝たせてやってくれよ!』と願わずにはいられません。
 この作品の影響を受けた野球漫画は数知れず、そして恐らく全ての野球漫画の目標とされてきた作品でしょう。
 それだけに、作者の早すぎる死が惜しまれます。
泥臭く、また非常に地味な作風なのですが、本当に素晴らしい作品です。是非一読を…。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-04-24 21:13:35] [修正:2005-04-24 21:13:35] [このレビューのURL]

7点 電車男

[ネタバレあり]

電車男。ネットに馴染み深い人なら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?ネット発の純愛(?)物語。グーグルで検索するとトップにまとめが出てますので、興味があれば読んでみてはいかがでしょうか。タダだし。
 でまぁ、マンガ版電車男の感想です。原作が付いていて、おまけに完結している。つまりあらかじめ予定調和を読むことになるわけで。もしあなたが、このマンガを読むことで電車男を知り、話の続きが気になったのなら。ネットでタダで読めるわけです。でも、貴方は次の巻が欲しくなるかもしれません。話の起承転結全部分かっているのに、何故か?
 それはつまり、原秀則の巧さなんだと思います。
 原秀則の描く電車男は、基本的に『電車男』という台本から外れていません。ストーリーはあらかじめ決められていて、(少なくとも)内容も結末も知っている人からすれば次の展開はもう丸分かりで。でも続きが読みたくなる。これは多分、原秀則の描く電車男という作品の、抜群の演出力によるところが大きいんだと思います。
 エルメスの大人っぽさや、ふとした表情の可愛らしさ。電車男の、震えながら酔っ払いに立ち向かった姿の凛々しさや、産まれて初めての『でーと』に向けたいじらしい努力の姿。今までテキストでは想像するしか出来なかった姿を違和感無く、さりとて話を破綻させることも無く表現しきった原秀則の巧さは、中々得がたい才能であるように思います。
 話の結末を知らない人は入門書として、そして話の結末を知っている人は新たな魅力を知る一冊として。
 読んでみてはいかがでしょうか。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-04-22 04:08:32] [修正:2005-04-22 04:08:32] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

 絶望的な状況下でこそ、その才能が如何なく発揮されるという異彩の軍人、新城直衛が主人公の戦争モノ。弾薬も兵力も、更には味方の援護もない戦場で、いかにして戦うか、という好きな人にはたまらないというか垂涎モノの代物です。
 さて、この皇国の守護者。同名の原作小説は非常に高い評価を受けている為、漫画化した時小説よりもクオリティーがさがってしまうのでは?と連載開始当時は一抹の不安を覚えたものですが、まったくの杞憂でした。原作…というか主人公・直衛の持つ禍々しい狂気の描写が出来るか否かがこの伊藤悠版・皇国の守護者の生命線となるであろうと思っていたのですが、冒頭からものの見事に!凶相を浮かび上がらせながら命乞いにも耳を貸さず、淡々と盗賊に銃剣を突き立てる伊藤悠版・新城直衛の姿が。しょっぱなからこれならば、回を重ねてゆくに従いどれ程の狂気を観ることが出来るのか。非常に楽しみです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-04-22 03:29:23] [修正:2005-04-22 03:29:23] [このレビューのURL]

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