「nonbiri」さんのページ

総レビュー数: 28レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年01月08日

まだ1巻しか出ていないのに、一体何度読み返したかわからない。
おそらく20回は超えている。
多分それは、ショートストーリーの上手さ・キャラの魅力・台詞など全てがトップクラスだからだろう。
この漫画のオチはどれも素晴らしい。
計算された伏線は所詮、頭を捻って組み立てれば作る事が出来る。しかし、この漫画はふわっとした予想外の落ち方が多く、とにかく桜庭先生独特のセンスとしか言いようがない。
さらにこの漫画について特筆すべきは、特殊能力の設定をストーリーよりも、キャラに活かしているところである。
人の嘘がわかるというのは、人と接する時に、ある意味無敵の能力だ。
だからこそアカネは、人を遠ざけ、静かに過ごそうとしているコミュニケーション能力の低そうなキャラにも関わらず、初めて話すアカネにもガンガン話したり、男子の高山をブンブン振り回したり、動き出すと無敵の対人能力を発揮する。
それ意外にも、セリフの節々から、無言のコマの表情から、アカネとミツキのキャラクターは溢れ出ている。
突飛な能力を持って生まれたとしても、きっと現実はこの漫画みたいな感じだろうと思わせる。
日常の風景にまぎれ、表の顔はどこにでもいる普通の一人で、だけど人と大きく違う物を持って生まれたから、その内には他人にはわからない過去や考え方がたくさん詰まっている。
そんなキャラクターが日常コメディの中で、ふわふわと泳いでいるのが面白くてたまらない。
何はともあれ、色々な所で、この漫画がみなみけと比較されて低評価になっているのは非常に残念だ。
1度目は確かにつかみ所がないかもしれないが、買った人は是非何度も繰り返し読んで欲しい。
みなみけのファンならきっとこの漫画も好きになるはずである。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-08-24 20:43:49] [修正:2011-10-18 00:24:22] [このレビューのURL]

10点 怪物王女

キャラクターのオリジナリティに心を奪われた作品です。
怪物の姫は残酷で、少しユーモアがあり、戦闘でも高貴さを保ち、冷徹と言えるほど無感情ではない、という独特なキャラクターです。10巻以降に至るまで、人間のような心を見せるシーンが何度かありますが、情に溢れるキャラクターにブレたりはしません。
あくまでも怪物であり、人間との一線はギリギリで超えない、この姫のキャラクターが怪物王女の一番の魅力だと思います。
話や絵柄の好き嫌いは人それぞれですし、正直僕は全てが好きですが、この漫画に強烈な世界観があるのは間違いないと思います。
読み返す度に新しい発見があり、奇抜な設定でも矛盾がなく、複雑な展開でもナレーションを使わないなど、作者のこだわりを随所に感じる作品です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-01-08 22:55:22] [修正:2011-01-08 22:56:15] [このレビューのURL]