「じいやと姫様」さんのページ
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ムース王国の宰相ババロア(じいや)はオテンバ姫様に頭を悩ませていた。
ご関心事と言えばイタズラばかりでお勉強などそっちのけ、姫様が机に向かった時間はこの一年間を通して延べ30分あったかどうか。
影響を受けやすく、それでいて気まぐれなアンズ姫をどうすれば人の上に立つ人物に導けるのか……
ババロアは考えた、6秒ほど考えた。そして出した結論は「漫画を読ませよう」これだった。
「姫さま」
「何じゃ、じい」
「姫さまにお見せしとう物がごさいます」
そして、ババロアは一冊の漫画を開いた……

9点 うしおととら
「姫さま」
「なんじゃ、じい」
「今回ご紹介するのはこちらでございます」
「ほう『うしおととら』とな。一体どのようなものじゃ」
「熱うございます『うしお』と『とら』その名前からして熱うございます。」
「ほう」
「ぶっきらぼうながらに芯の通ったうしおと、天邪鬼ながらに人を見捨ておけぬとらのその友情が熱うございます、人間と妖の垣根を意識しながら進む真由子ととらの恋心も、ただただ胸に熱いものがこみ上げるばかりでございます」
「そんなにであるか」
「はい、そんなにでございます。じいやは少年サンデーでとらのアップを見た時、その迫力に痺れたものにございます」
じいは昔を思い出し遠い目をした。
「よし、では当時の少年サンデーを手に入れて参れ」
「……は?」
「わらわもとらのアップが見たい」
「いや、しかし」
「早く行かぬか! 第一話から最終話まですべて揃えるまで帰ってくるでないぞ」
アンズ姫の剣幕に圧されじいやは渋々旅立って行った。
じいやが城に戻ったのは二年後のことだったという。
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[投稿:2011-06-23 09:17:18] [修正:2011-06-23 09:24:40] [このレビューのURL]