「トニーモンタナ」さんのページ

総レビュー数: 471レビュー(全て表示) 最終投稿: 2014年10月28日

人物も背景もフリーハンドで描かれていて柔らかいタッチですが、不倫など背理的な恋愛描写が多く、内面描写も繊細ですがトゲトゲしています。ディープな色調の効果背景も緻密。幽霊は「夏雪ランデブー」を思い出します。

はぐれ者というか低温で達観した人物ばかりですが、寄り添い方は温かくなります。言語感覚も鋭敏で、言葉の紡ぎ方も良いです。コマのアングルや緩急も心情と符合しています。

あとがきで「漂流しながら描いた」とありましたが、人物の漂流感や浮遊感なども合致して、なんとなく納得しました。

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[投稿:2020-04-23 18:10:48] [修正:2020-04-23 18:10:48] [このレビューのURL]

「月曜日の友達」ほどの観念的、先鋭的描写が控えてあり、「空が灰色だから」と「ブラックギャラクシー6」の間の日常ものとしての位置づけに見えます。
「死に日々」以降からに顕著になってきましたが、斑点や水玉など集合体的なモチーフによる内面描写も少なめです。

トーン使いはやはり秀逸で、立ち位置や光と影を表現していたり、反転や対比などトーンの修辞法が見事です。

非有機的な風景の中に人物がいるのを俯瞰的、遠景的に捉える手法は最近の阿部共実メソッドとして確立してます。青春や無常さや虚無を視覚化しています。幾何学的な構図の中の有機的な人物の配置が洗練され尽くしていますね。









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[投稿:2020-04-23 17:51:51] [修正:2020-04-23 17:51:51] [このレビューのURL]

ボーイミーツガールの活用形。OS更新。

フリーハンドの描線で高感度な機微を映し出してます。トーンの濃淡も秀逸だし、漫画での光、ライティング表現の到達点な気がします。恋の喜びなどの一瞬を永続させる見開きも最高です。
視線の遮断と交錯など視線のモチーフも見事だし、虚像だった視線の対象が実像に結晶化する流れは感涙します。漫画で正攻法の切り返しを体現してます。

虚構と現実が同じ質量を持ったような作品はどうしても好きです。

「肉飯屋であなたと握手」といい夏次系作品において恋と体液には何か相関性がありそう。

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[投稿:2020-04-16 04:44:05] [修正:2020-04-16 04:44:05] [このレビューのURL]

7点 NeuN

ヒトラーのクローンを生み出すって設定は「ブラジルから来た少年」が浮かびます。

即物的な暴力描写や死の無常観は高橋ツトムイズム。ファシズムと高橋ツトムの死生観は親和性が高い気がします。退廃や死がページ全体に充満してます。バトルロワイアル的なエンタメ活劇としても強度はありますが。

俯瞰描写で権威や不条理を見せたり、構図や逆構図を利用した鋭角的なコマ割りとか画面の息遣いや設計に圧倒されます。惨劇や悲劇をコマの外側で起こすのが画面にレイヤーを作り出してます。エモーションの積み重ねもいつも通り巧いです。

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[投稿:2020-04-16 04:12:50] [修正:2020-04-16 04:13:27] [このレビューのURL]

「ローカルワンダーランド」にも「ストレートアヘッド」の話は収録されてましたね。

アニメーターのサクセスストーリーとして見応えがあります。友情やブロマンスとしても熱いし、衝突や連携をコマ造形で見せるのもテクニカルです。信頼や関係を見せる視線の演出が流動的で凝ってます。動画の技術的な観点も知見が広がります。

1巻の現代で走りながら過去に移行していく時空を越境した表現は感動しました。アニメと現実の相互作用やクロスオーバーの魅せ方が良いです。

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[投稿:2020-04-16 03:55:01] [修正:2020-04-16 03:55:01] [このレビューのURL]

表題は服と自尊心の関係を描いた作品。その他の短編はほくろや八重歯など身体的特徴と自己受容が一致、比例することがモチーフになってます。
顔と性格とか分ける必要もないし、全て包括して自己っていうのが好きなテーゼです。

苦悩を惑星軌道で例えるのは「ギャラクシー邂逅」でもありましたね。精神世界の描き方が幻想的。
「惑星の軌道数値を音符に当てはめると 歌になるらしいと聞いたことがあるけど 君がカスタムした宇宙 遠い星の歌 こうして僕は宇宙と手を繋ぐ」とかリリカルなセリフが機微に触れます。

タイトルをひらがなにしてるのも意味合いの間口を広げてたり、含有量を増やしてる気がして、聡明なタイトルだなと思います。

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[投稿:2020-04-05 22:49:26] [修正:2020-04-14 20:17:36] [このレビューのURL]

クラシックと言っていいっくらいの青春漫画の名作です。

語り口が現在進行形ではなく、過去形、完了形で終わったものとして追想する語り口です。画面やコマも遠景で描いてることが多く、当事者視点というよりは神的視点。

無限の可能性への憧憬、刹那的な輝きを恒久化させたような煌めく青春が詰まっています。

コマ割りも反復と差異、緩急を使っていたり、圧縮してから一気に拡張させていたりフレキシブルな作りです。

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[投稿:2020-04-14 20:08:54] [修正:2020-04-14 20:08:54] [このレビューのURL]

冬目景作品とバンドって懸念がありましたが、「六畳劇場」の系譜です。青春の不毛さや不明瞭さを描いてます。
楽しかった日々の終わりを予感してるような寂寥感やニヒリズムが充満しています。

視線の同一化、イマジナリーラインの形成など視線の演出が秀逸です。見る、見られるの対置、表情や視線だけで感情を内包させる職人技。

人物のバックボーンを最低限の描写で見せたり、モンタージュのように端的な回想を入れたり、円環構造だったり構成やプロットも練られてます。綺麗な終わり方でした。

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[投稿:2020-04-10 20:20:24] [修正:2020-04-10 20:20:24] [このレビューのURL]

「ふうらい姉妹」みたいな不条理ギャグを描いてるかと思ったら良質な人間ドラマを描いた作品が多かったです。

「清く正しくはみだした人の話」、「0.5秒のスイッチ」などは労働者や仕事に従事する者の悲哀、社会との折り合いに苦戦する人たちを描いていて身に沁みました。自己と他者の境界の描き方がとても良いです。

同調圧力や帰属意識など社会の理不尽や不条理を描いていて、今の「ふうらい姉妹」はそういう不条理をデフォルメしてシニカルに描いてるんだなと変遷が見れた気がします。

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[投稿:2020-04-10 20:04:54] [修正:2020-04-10 20:04:54] [このレビューのURL]

無益で無害な能力の無用力って発想からやられました。
無用力が思春期の不毛さ、無為さを如実に示してると思います。

能力を利用したドッジボールは「ハンターハンター」のグリードアイランド編みたい。
コマのリズムや拍子が独特ですが、要因やファクターの置き方が細密で、それが解消したり、結実するオチは毎回綺麗です。

表紙の絵画のオマージュとかの遊び心も良いです。

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[投稿:2020-04-09 17:29:14] [修正:2020-04-09 17:29:14] [このレビューのURL]

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