「トニーモンタナ」さんのページ

総レビュー数: 471レビュー(全て表示) 最終投稿: 2014年10月28日

8点 半神

寓話的な世界での実存や形而上学を描いた傑作短編集。

表題作や「偽王」、「温室」が特に好きです。実存の苦悩、極限下の人間の情念や機微の描き方も壮絶です。
「金曜の夜の集会」は切ないけどタイムループものとして面白かったです。ブラッドベリへの目配せも感じました。

耽美な画面構成もとにかく美しいです。明白な枠線がなく、過去や現在、現実と夢、此岸と彼岸の境界がシームレスに行き交ってるように見えます。

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[投稿:2021-01-11 17:03:32] [修正:2021-01-11 17:03:32] [このレビューのURL]

名著礼賛ギャグが言い得て妙です。ディック感覚とか三大奇書とか読書好きのツボも程よく押してくるし、施川作品らしいシニカルさも良い塩梅です。

如何に作品を読まずに読書通ぶるかに傾倒する様とか自意識の強いところとか共感する部分が多いです。
日常劇に見えますが、最近は町田さんと神林さんの二人の関係を掘り下げたミニマムな作りにシフトしていってるように思います。シスターフッドとも百合とも違う友情の描き方が尊いです。

イーガンとかハイラインはこの作品を機に読み始めました。

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[投稿:2020-08-27 16:11:57] [修正:2020-08-27 16:11:57] [このレビューのURL]

新鋭って感じですね。ほんとに短編好きにはたまらないです。多感な時期に出会えば心の支柱になるくらいの力があると思います。漫画としての磁場が強いです。

スクリーントーンが物凄いセンシティブで陰影や光線が強調されてる。恋や青春の一瞬の輝きを永続させるような話が多くて大好きです。

「赤星くん」の金玉の大ゴマ、「成人ボム 夏の日」の見開きはヤバいです。圧縮と解放、奥行き、パースにただただ見惚れる。感情と漫画的飛躍が呼応する瞬間がもう優勝です。

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[投稿:2020-04-03 00:09:55] [修正:2020-05-28 14:53:29] [このレビューのURL]

ボーイミーツガールの活用形。OS更新。

フリーハンドの描線で高感度な機微を映し出してます。トーンの濃淡も秀逸だし、漫画での光、ライティング表現の到達点な気がします。恋の喜びなどの一瞬を永続させる見開きも最高です。
視線の遮断と交錯など視線のモチーフも見事だし、虚像だった視線の対象が実像に結晶化する流れは感涙します。漫画で正攻法の切り返しを体現してます。

虚構と現実が同じ質量を持ったような作品はどうしても好きです。

「肉飯屋であなたと握手」といい夏次系作品において恋と体液には何か相関性がありそう。

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[投稿:2020-04-16 04:44:05] [修正:2020-04-16 04:44:05] [このレビューのURL]

クラシックと言っていいっくらいの青春漫画の名作です。

語り口が現在進行形ではなく、過去形、完了形で終わったものとして追想する語り口です。画面やコマも遠景で描いてることが多く、当事者視点というよりは神的視点。

無限の可能性への憧憬、刹那的な輝きを恒久化させたような煌めく青春が詰まっています。

コマ割りも反復と差異、緩急を使っていたり、圧縮してから一気に拡張させていたりフレキシブルな作りです。

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[投稿:2020-04-14 20:08:54] [修正:2020-04-14 20:08:54] [このレビューのURL]

8点 血の轍

「ぼくは麻理のなか」じゃなくて「ぼくは母のなか」。支配と隷従。

ベタは一切使わず線を連ねることで影を覆わせる。被支配や抑圧、阻害、多義的なものが寓意されてます。
ハイコントラストの光と影の描き方も常軌を逸してます。陰影による人物の闇、苦悶をビジュアルで体現してます。

雨、血、精液の繋がりとか凄すぎて放心しました。内在する狂気、恐怖を絵だけで説得力を持たせてます。

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[投稿:2020-04-09 12:22:08] [修正:2020-04-09 15:55:40] [このレビューのURL]

好きな作家さんなんですが登録されていなかったので登録しました。

デジタル加工されてるのかトーンワークの種類が豊富で、心情にも即しています。
土手や星空、雪など風景の情景描写としての描き方が秀逸だし、恍惚するくらいの風景描写です。心情のプロジェクターとして見事に機能してます。

表題作は大好きです。心に傷を負ったもの同士の浄化や治癒は感傷的になります。寒い日の夜ととかに読むと保温してくれそうな優しさがあります。
「ギャラクシー邂逅」、「わたしのニュータウン」も好きですが、二人の世界というか相補的な関係が一貫してます。

モノローグもポエティックだし、詩集出してほしいです。

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[投稿:2020-04-05 16:10:58] [修正:2020-04-05 16:10:58] [このレビューのURL]

理不尽をコミカル、シュールに描いてます。
独自の発想は九井諒子作品を思わせます。

一つ一つの短編の伏線の配置、話運び、予想できないオチ、どれも秀逸です。
余韻も味わい深いです。

これは何度読んでも飽きないと思います。

映画のパロディが多いので、元ネタが分かるとニヤニヤしてしまいます。

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[投稿:2015-02-28 16:24:08] [修正:2020-04-05 12:51:09] [このレビューのURL]

8点 HER

女性の内面の機微を鮮明に描いてます。

憧憬や嫉妬をブレンドしたようなドス黒さはずっしりして胃もたれがおきます。

オムニバスですが一つの短編を視点を変えて繋がっているところもあり、練られてあります。

CASE3が特に素晴らしかったです。「フツー」であるということの同調圧力に苦しめられ、「フツー」に疑念を抱く少女が「フツー」じゃない老婆と交流して救済されるのは素直に感動しました。

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[投稿:2017-01-29 17:23:25] [修正:2020-04-04 21:23:53] [このレビューのURL]

他の漫画のぼっちは話を円滑に進むために少し口数が増えたりして誇張されてますが、これはノンフィクションでぼっちをお送りしてます。誇大妄想やルサンチマンは他人事とは思えないです。

最初の方はぼっちのあるあるネタの取り上げの単発だったけど、それでも好きでしたけど、修学旅行編辺りからは群像劇として集約していく構成など異様な完成度です。面白さがインフレしてきました。

スクールカーストの実態や学校という閉鎖的なコミュニティの内幕を見事に描いてます。「ブレックファストクラブ」を彷彿とします。学校での属性、階級の人物同士が心を通わせる化学反応を描いてて、スクールカーストを解体して再構築する先進的な視点で衝撃でした。

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[投稿:2015-01-04 15:37:26] [修正:2020-04-04 18:24:50] [このレビューのURL]

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