「トニーモンタナ」さんのページ

総レビュー数: 471レビュー(全て表示) 最終投稿: 2014年10月28日

阿部共実の進化をリアルタイムで見れて大変喜ばしいです。

団地とか幾何学的で非有機的な背景と有機的な人物のコントラストが素晴らしいです。繊細なトーンワーク、光と影の対置、パース構図にひたすら恍惚。

頻繁に出てくる階段は監獄や権威や閉塞のメタファーなのか。斑点や水玉描写も自意識の具象化として巧妙です。終盤の圧倒的な飛躍は漫画史に残る名シーンだと思います。「死に日々」の「8304」のアップグレート版。

ニヒリズムというか世界への諦観が今まではあったけど、今作は虚構を媒介しながら世界と対峙してる。「空が灰色だから」じゃなくて「空が純白だから」

ナイスレビュー: 0

[投稿:2020-04-02 21:13:16] [修正:2020-05-28 15:03:04] [このレビューのURL]

物事への柔軟でシャープな視点を見事に四コマに落とし込んでます。
明確なオチをつけるというよりは日常の風景で終わったり、たまに八コマや十二コマになってることもあります。

「交換日記は交換してない」、「猛犬注意の張り紙は反抗期の息子注意とか家族全員分やればいい」、「天気予報の単純化した日本地図は立体的だから海岸線全部崖に見える」とか発想や視点が豊か。

有限を無限に、一瞬を永遠に引き延ばすような日常にずっと浸っていたいです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2020-04-03 12:02:46] [修正:2020-04-04 21:22:04] [このレビューのURL]

主人公の変態性や性衝動を突き詰めた作品かと思ってたけど、精液で宇宙人と戦う壮大SF。
「ザワールドイズマイン」は世界規模でしたがこれは宇宙規模です。新井英樹セカイ系って言い方で合ってるかな。

支離滅裂でカオスですが圧倒的熱量で引き込まれます。終盤覚醒してからの瞬間最大風速はかなりのものです。測定不能です。

新井英樹作品らしい反権力、反体制でもあるんですが、自我の形成や自己実現、純愛ロマンスありの幕の内弁当。鬱屈とした人物の内的発露やワンスアゲインとして至高です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-05-30 15:49:16] [修正:2020-04-04 18:37:49] [このレビューのURL]

隠れオタクの悲哀をコミカルに描いてます。

毎回主人公がオタクであることを隠すために奮闘したり、被害妄想する様は笑えますが、
自分自身を投影してしまう部分もあります。

主人公は特撮オタクですが、どのオタクにも通ずる部分があると思います。

世間やオタクじゃない層の感覚も隔絶して描かずに共通項を見つけ出したりして、
主観的に描かないのが懐が深いなと思いました。

人間関係の軋轢などを特撮に当てはめて修繕していくのも熱くなります。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-01-31 16:02:49] [修正:2020-04-03 00:47:36] [このレビューのURL]

「鉄コン筋クリート」のシロや「ピンポン」のペコは無垢なヒーロー像として描かれてますが、この作品では無垢の疎外感や苦悩を描いてます。他の作品みたいな救済はなく、他者との不和や孤立が続きます。

何気ない屋上、プール、教室をモンタージュ的に何度も挟んで虚無感を強調してる。
夢想の描写、虚構に救われるっていうのが最高。「Sunny」の源流でもありますね。

ラストの爽快感。ラストは今まで読んだ漫画では一番好きです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-07-31 10:41:37] [修正:2020-04-03 00:42:56] [このレビューのURL]

古谷作品では稲中の次に笑いました。

基本はギャグですが、根底はシュールがあります。
思春期の普遍的な悩みとかを笑いで浄化しています。

実質これがギャグの終焉になりました。

作中の「人生の最大の敵は、めんどくさい」は
自分の中のスローガンにしたいです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-10-29 23:26:01] [修正:2020-04-03 00:36:25] [このレビューのURL]

9点 SWWEEET

[ネタバレあり]

装丁の見た目だと可愛い絵柄の純愛ものに見えますが重厚な作品です。
思春期の不安定さや脆弱性がよく描かれています。

過去の背徳感や罪悪感から派生するので、構成は少し荒削りで現実と虚構が入り混じる倒錯の連続です。
青春の古傷を掻き毟られて血が噴出するような痛々しさが詰まってます。

ラストの表面張力ギリギリで踏ん張ってた感情が氾濫するシーンは圧巻です。
全体的に人物の顔に思いっきり寄るので、よりエモーショナルです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-11-28 19:51:57] [修正:2020-04-03 00:33:33] [このレビューのURL]

思春期のやり場のない怒り、焦燥感とかは自然と投影します。
人物が報われないものは強烈な後味が残って、胸やけがひどいです。

ペシミズムというか偏屈な切り口のユーモア、異端者の悲哀によるホラー、プラトニックな恋愛もの様々なジャンルが混沌とした闇鍋。
でも闇鍋と言っても素材は一緒で、思春期を細分化した印象。

個人的には「少女の異常な普通」が好きです。
「自分だけの普通を公平性のない多数決を根拠に世間一般の普通に平気でしてやがる」


ナイスレビュー: 1

[投稿:2014-10-28 10:17:18] [修正:2020-04-02 13:14:16] [このレビューのURL]

帯の通りこれは極限の人間賛歌です。

序盤は主題も不明確で、
恋愛ものしたいのか、成長ものにしたいのかよく分かりませんでした。

宮本の泥臭く、不器用な生き様を見てると、自己嫌悪に陥ります。
妥協したり、感情に折り合いをつけてる自分が情けないです。

高揚感の他に不快感もあり、読んでて苦しいこともあったのですが、
読み進まずにはいられなかったです。

多感なこの時期に読めて本当に良かったです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-05-10 15:02:01] [修正:2016-03-29 14:46:12] [このレビューのURL]

主人公と自分の境遇が似ていて、何度も読み返してます。

悲惨な環境で、自己否定していた主人公が、
恋人ができて次第と存在価値を見つけ出していき、有頂天になる様とか微笑ましいです。

それでもやはり思春期の歪んだ思考で、幸福にも不安を覚えたり、
ちょっとした行動を多感に捉えて自己嫌悪したりする描写は身に沁みます。

殺人、監禁とか非日常を何の解決もせずに、ただ提示しているだけというのが不気味でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-10-28 14:29:52] [修正:2015-11-22 13:51:46] [このレビューのURL]

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