「八咫烏」さんのページ

総レビュー数: 2レビュー(全て表示) 最終投稿: 2006年10月20日

ネオ時代劇という耳慣れないジャンルで有名な作品「無限の住人」
その著者が描いた初の短編コメディー集
この情報を手に入れたときの私の期待はとにかく大きかった
彼の代表作を単行本で持っている人は知っていると思うが
作品の巻末の小さい一コマに出てくるギャグがとにかく面白い
ネタの有無によってあとがきもまた面白いものになる
短いお話でここまでのセンスを見せるのだから
短編集でギャグでもやればいいのにと考えた矢先の吉報
とりあえず飛びついてみたのです

結果から言うと、面白かった
作品の題名にもなっている「おひっこし」は
頭っからハイペースのギャグで突っ走り
そのまま走りきる気持ちのいい作品
ネタの出展が定かではないようなマイナー路線を突っ走るも
勢いにごり押しされついつい笑ってしまう
が、それは下品な笑いではない
このお話はシリアスな雰囲気をシニカルに鼻で笑い飛ばしたがる
そういう年頃の機微を上手に書き表したモノだ
時々浮かび上がる彼らの等身大の姿は
赤裸々で彼らにとっては恥ずかしいものかもしれない
だから、ここぞと言うときにしかそんなシーンは出てこない
しかしこれがよく効いている
終始ギャグで通すが、押さえるところはきちんと押さえる
そんなハイセンスを見せてもらった

そしてもう一つの短編「涙のランチョン日記」
一話読みきりの短編の中に一人の女の半生を描く
こちらのギャグは……なんともう
身を切りながら描いてるようなブラック具合にひたすら苦笑
「ダメ寒い つーか時代劇作家にギャグとかやらせんな」
「……きっついなー」
いや、マジきついって

そして最後のオマケみたいに入っているのが
「みどろヶ池に修羅を見た」というものだけど
これについては特筆することはないかな

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[投稿:2006-10-20 20:56:07] [修正:2006-10-20 21:31:48] [このレビューのURL]

随分と前に売り払ってしまったのだけど
青春時代にのめり込んだ思い出の作品
数あるサッカー漫画の中でも
リアルを追求するという面では随一だったと思っている
今でも古本屋で見ると時々読み返したくなる作品の一つ

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-10-20 21:24:18] [修正:2006-10-20 21:24:18] [このレビューのURL]

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