「kikumasa」さんのページ

総レビュー数: 2レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年07月16日

女子高生、元郵便局員、警察官、米国大統領、総理大臣、ハンターなど様々な人々が登場し、一人ひとりのエピソード、物の考え方、世界観などは皆強烈で個性的である。様々な強烈な個性を持った人々の世界観が複雑に交錯するため、この作品は過剰なエネルギーに満ちている。その上、この作家の絵による性描写・暴力描写が作品全体の過剰なエネルギーに拍車をかける。

一人ひとりのエピソードにどれか一つでも自分の琴線に触れるものがあったら、それだけでこの作品は読むに値するものになるだろう。これだけ多くの世界観・価値観を提示した上に、エネルギーの過剰さ・世界観の複雑さを最後に(賛否両論はあるが)収束させたのは見事である。ストーリー全体に溢れる過剰なエネルギーを許容できれば、ラストは良く分からないにしても「凄い」と思えるのではないでしょうか。

逆に、過剰なエネルギーに辟易してしまうと、単に不快な作品という印象のまま読み終わってしまい、ラストも「わけ分からん。」で終わってしまう。

この作品が賛否両論なのは当然でしょう。作画はとっつきにくいし、全体を通して抽象的な感も否めない。作画も含めた過剰なエネルギーを許容できるか否かで評価が全く変わってしまう。ザ・ワールド・イズ・マインを読んで強く感動できる人と全く受け付けない人のどちらが偉いということではない。

私は読後に快く世界観に圧倒され、存分に楽しむことができました。しかし、3巻くらいまで読んで受け付けられないという人は読まない方が良い気がします。それ以上読んでも不快になるだけかと。

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[投稿:2007-12-16 19:14:35] [修正:2007-12-16 19:14:35] [このレビューのURL]