あらすじ
佐藤大輔著の同名小説『皇国の守護者』が原作。サーベルタイガー・天龍などファンタジー色強い戦争物。が、内容は既得権益を守る為に足を引っ張り合う権力者や決して一枚岩ではない軍隊など、非常に現実的(というか生臭い)でもある。時代設定としては十九世紀ごろ。蒸気機関が発明されてから約二十年が立つ。
【大協約】という人と龍が交わした契約が、世界秩序を為す世界。そこに存在する小国『皇国』と、その皇国に侵攻してきた世界最大の大国『帝国』との戦争が主な内容だが、そこに皇国内での覇権争いや経済問題、政治も絡めて描いてゆく。主人公は帝国との決戦に敗れた皇国が敗走する中、運悪く遅滞戦を命じられた皇国軍人・新城直衛。実験部隊でもある剣牙虎部隊を率い、新城は絶望的な戦線にその身を投じてゆく…。
この漫画のレビュー
9点 水鏡さん
惹き込まれました。
ファンタジーながらも泥臭く、リアルさを感じさせる物語。
一つの島で起こった撤退戦を四巻強に渡って緻密に展開し、
それぞれのキャラクターの人格的成り立ちや心情を散漫になる事無く見事に描ききり、
次々と流転する戦況を緊張感を保ちながら進行させる
よくぞここまで密度ある作品に仕上げたものだと思います。
主人公・直衛の見せる表情に一々気迫と説得力が宿っているので、
読んでいるこちらも思わず同じ表情になり、作品にのめりこんでしまいます。
思わず最初から最後まで一息で読んでしまいました。
この漫画家にしてこの作品ありといった感じなので五巻で終わってしまっているのが非常に残念なのですが、
原作も読んでみようと思いました。
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[投稿:2008-03-20 23:10:33] [修正:2008-03-20 23:10:33]