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8.33点(レビュー数:6人)

作者藤子・F・不二雄

巻数3巻 (未完終了)

連載誌月刊コミックトム:1978年~ / 小学館

更新時刻 2009-11-25 06:36:59

あらすじ ある日、平凡な中学生・波平凡は、偶然T・P隊員の少女リームと出会った。T・P隊は凡の生きる時代よりも未来に本部を置き、過去に不幸な死を遂げた者で、なおかつ生存しても歴史の流れに影響しない者の救助活動を行う組織である。色々あって、T・Pは凡を隊員に任命。ぼんのTP生活が始まる

備考 藤子・F・不二雄大全集に『T・Pぼん』全3巻で収録

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この漫画のレビュー

10点 かずーさん


子供から大人まで、素直にお奨めできる作品。
少年向けの内容ながら、タイムマシン好きは必見だと思います。

個人的には藤子・F・不二雄氏の作品では、ナンバーワン作品だと思う。

平凡な中学生・凡(ぼん)がひょんなことからタイムパトロールとなり、
T.P組織の規約・指示に基づきながら、過去の歴史の中で不幸な死を
遂げた者で、なおかつ生存しても歴史の流れに影響しない者の救助活動
を行う物語である。

1つの歴史の中で起こった事象を、タイムパトロールが介入することに
よって、現在の歴史ができあがる側面もあり、歴史の精査、その歴史で
謎となっている部分の埋め合わせ(ストーリー構築)など、非常に練度
の高い作品になっていると感じる。

本書は未完となっているが、ストーリーは基本的に、テーマ毎完結と
なっているので、読み終わって(未完に対する)さほどの惜しさはない。

ただ、世界史・日本史でこの事象(例えば「本能寺の変」とか)を扱ったら、
作者はどうアプローチしただろう、という興味は凄くある。
叶わぬ夢であるが・・・。

3巻の最後に、藤子・F・不二雄氏が、本書への熱い思いを綴られている。
氏は元々歴史・探索好きで、その世界をタイムマシンで覗いてみたい、
という願望が強かったそうで、その願望を強く込めたのが本作品とのこと。

かなり昔の作品である故、時代背景や歴史認識など、若干古い感覚である
ことは否めないが、現在でも十分通じる作品であると断言できる。

巨匠、藤子・F・不二雄氏にとって、原点の思いが込められている本書を、
是非とも読んでもらいたいと思う。
 
 

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-02-04 10:12:42] [修正:2010-02-04 10:12:42]

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