ホーム > 少女漫画 > 少女コミック > トーマの心臓

6.7点(レビュー数:10人)

作者萩尾望都

巻数3巻 (完結)

連載誌少女コミック:1974年~ / 小学館

更新時刻 2009-11-25 06:37:18

あらすじ 冬の終わりの土曜日の朝、一人の少年が死んだ。
彼の名はトーマ・ヴェルナー。
そして月曜日の朝、一通の手紙がユリスモールの元へ
配達される。

「これが僕の愛、これが僕の心臓の音・・・」
トーマからの遺言だった。


その半月後に現れた転校生エーリク。
彼はトーマに生き写しだった。

ドイツのギムナジウム(高等中学)を舞台に、人間の愛という普遍的なテーマを描いた、少女漫画の傑作。


シェア
Check

この漫画のレビュー

10点 ttnkさん

24年組の作家たちが取り上げた「少年愛」という題材。この作品も代表的なひとつ。
ギムナジウムという独特の狭いシチュエーションを生かし、4人の少年たちの複雑な人間関係が描かれている。
話の軸になっているユリスモールの心理描写は複雑で繊細。
トーマからの手紙、ユーリの過去、交差するそれぞれの思いは読者を引き込んで離さない。
物語の題材は決して描きやすいものでは無いと感じるのだが、あまり長くない話数、加えて週刊連載という状況で作者なりの結論を出したということに驚嘆する。

今日の市場に氾濫する、多くの節操のない同性愛を扱った漫画と一緒にされてしまうと残念である。
確かに今の流れの礎を築いたとも言えるのかもしれないが、精神面に重きが置かれ、よく練られた話であり味わい深いと思う。
先入観をあまり持たず、まずは一度読んでみてほしい。
読み終わったあとには後日談の『湖畔にて』も是非目を通していただきたい。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-09-14 20:37:38] [修正:2011-02-06 20:22:37]

トーマの心臓と同じ作者の漫画

萩尾望都の情報をもっと見る

同年代の漫画

少女コミックの情報をもっと見る