ホーム > 青年漫画 > ヤングマガジンアッパーズ > 生存〜Life〜

5.1点(レビュー数:10人)

作者かわぐちかいじ

原作福本伸行

巻数3巻 (完結)

連載誌ヤングマガジンアッパーズ:1999年~ / 講談社

更新時刻 2011-10-20 14:39:13

あらすじ 数年前に妻を亡くし、自らの体も癌に侵されていることを知った主人公の武田は、人生に絶望する。そして自殺しようとしていた寸前に、警察から1本の電話が入る。それは14年前に行方不明となった、娘がなんと死体で発見されたのだという。時効を間近に控え、警察も諦めたこの事件に、武田は残された生命を懸け、犯人を見つけだす決意をする

シェア
Check

この漫画のレビュー

3点 佐々木裕健さん

[ネタバレあり]

物語終盤のストーリー展開、あれがどうしても納得できない。

娘を殺された主人公が犯人を追い詰める。だが、残念ながら時効がきてしまい、法で裁くことができなくなってしまった。そこで主人公は自らの手で裁こうと犯人を殺そうとするが、その時娘の幻がそれを制止し、結局復讐はならなかった。そしてその後、主人公は「殺さなくて良かった。こんなことをしても、娘は喜ばない。」と言う。

実に陳腐な話である。

福本伸行は「殺人は絶対悪。主人公には絶対に人殺しをさせない。」という倫理観を持っており、それ自体を否定する気は毛頭ない。
しかし、娘を殺された親の怒りが、こんなあっさりした形、使い古された展開やセリフであっさり変化してしまったことに納得がいかない。あれほど人の心のひだのひだまで執拗に描写してきた福本にしてはあまりにお粗末過ぎる。

そしてもっとひどいのは、実は時効を迎えておらず、時効にできるかできないかの、ギリギリの心理戦へとストーリーの流れをスライドさせてしまったことである。
結局、主人公は自らの手を汚すことなく、復讐を達成してしまったわけである。
『るろうに剣心』でも批判したようなご都合主義的展開と言えよう。

最終巻を読み終わった瞬間、即、古本屋に売り飛ばした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-06-13 05:49:34] [修正:2007-06-13 05:49:34]

生存〜Life〜と同じ作者の漫画

かわぐちかいじの情報をもっと見る

同年代の漫画

ヤングマガジンアッパーズの情報をもっと見る