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7.5点(レビュー数:18人)

作者村上もとか

巻数20巻 (完結)

連載誌スーパージャンプ:2000年~ / 集英社

更新時刻 2012-08-21 12:45:06

あらすじ 現代(西暦2000年)の大学附属病院で脳外科医をしている南方仁。ある夜、緊急手術の最中に患者の頭蓋骨内に奇形胎児を発見、摘出する。手術後、謎の声や頭痛に悩まされ嫌な予感を感じる仁。更に、逃亡したオペ患者と揉み合ううちに、不思議な空間を通って幕末へとワープしてしまう。幕末の江戸で様々な患者や人々と出会い、医者として自分の為すべき事を、仁は模索していく。

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この漫画のレビュー

8点 臼井健士さん

名作「六三四の剣」を世に送り出した村上もとか先生の作品なので、総合的な完成度の高さは言わずもがな。

皆さん、浦沢直樹先生の漫画「MONSTER」はご存知でしょうか?
この漫画は、その「MONSTER」の主人公・天才外科医「テンマ」が、過去の世界にタイムスリップして患者の治療に大活躍する漫画!と書くと判りやすいかもしれません。
多士済々の「医者漫画」のジャンルに「過去の世界へのタイムスリップ」というエッセンスを加えたことで、新たな魅力を引き出すことに成功した。
現代医学では「常識」の知識・技術ですらも百年の時代を遡れば「超人・神の所業」へと変貌する。

しかも時は「黒船来航」に端を発した幕末の動乱期の入り口。
数年後には二百年以上も続いた「徳川の世」が終焉を迎えることとなる。動乱期には多くの英雄・英傑が揃う。
主人公がもし「力や武力や勇気に秀でていたのなら、龍馬や海舟と共に維新回天の立役者となる」道もあったことだろう。
けれど、主人公は格闘家でもなく、戦術家でもなく、只の医者でしかない。

しかも神ならぬ身では、たとえ最新の知識を持っていたとしても救えない命とて当然のように出てくる。
そんな時、他の多くの人が「孤独と絶望の淵に身を任せたがる中」この男はあくまでも一人の医師として、その時代を生きる病に苦しむ人々を救うために立ち上がる道を選ぶこととなる。

そんな姿勢は「龍馬」や「海舟」や「西郷」等の、後の世の偉人と称される者たちと何ら変わらぬ熱い魂を持つことの証明でもあった。
そして道は違っても「同じく熱い魂を持つ者」を磁力を互いに持つかのようにして引き合わせていく。
彼等はいずれも徒手空拳ながら「持つ者よりも強く見える」は何故?

とにかく医学的知識もそうだが、幕末の江戸の描写が丁寧かつリアル。
余程綿密な取材を行っていないと、この描写は出せまい。
いよいよ完結!ラストシーンまで見逃せん作品!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-23 12:56:34] [修正:2010-11-23 12:56:34]

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