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5.37点(レビュー数:24人)

作者尹仁完

原作梁慶一

巻数17巻 (完結)

連載誌月刊サンデーGENE-X:2001年~ / 小学館

更新時刻 2009-11-25 06:27:25

あらすじ 物語の舞台は、聚慎(ジュシン)という国が滅んだあとの殺伐とした世界。聚慎には暗行御史(アメンオサ)と呼ばれる地方の悪政を糾弾する隠密の特殊官吏がおり、国が滅んだ後も暗行御史の一人「文秀(ムンス)」は浮き世をさすらいながら、密かに活動を続けていた。文秀はかつて聚慎の将軍を務め、国王の親友でもあった人物で、国が滅んだ原因は彼にもあるようだが、その経緯や彼の過去は謎のまま。唯一確かなのは、彼が幽幻兵士(ファントムソルジャー)を操る究極の3馬牌(マハイ)を持つ暗行御史であるということ。 彼は3馬牌を操りながら、護衛の敏腕スレイヤー「山道(サンド)」と従者「房子(パンジャ)」とともに、各地の悪政に立ち向かう。

備考 作画は梁慶一である。

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この漫画のレビュー

10点 nur_wer_die_sehnsuchtさん

[ネタバレあり]

最初はどうしようかと思ったけどな(笑)。
後半は全くもって圧巻だったな。こういう壮大な物語が大好きなんだよ。
始まりはやっぱり大したことを考えてないんだよ。韓国人だから、韓国のことを日本に紹介しただなんてちょこざいなことをやってるよな。まあ「虎兄」の話だけは良かったけどなぁ。

物語の骨子は復讐なわけだけど、重要なことは、なぜ後半に壮大になって行ったのか、ということだよ。そこが重要なわけ。
『ヘルシング』の場合もそうだけど、最初は大したことを考えてないんだよ。でも『ヘルシング』の場合、作者が狂気に身を委ねたことが成功に繋がった、ということだよな。
『新暗行御史』の場合、何があったのか。
それは亜志泰という無敵のキャラを生み出したことなんだよな。人間では絶対に敵わない敵を、悪魔を。しかも究極の邪悪を設定したことにあるんだよ。
それに立ち向かうわけだから、納得の行く手段にするために相当苦しんだはずだよ。あの壮大なラストは、絶対に最初からは考えてないよな。

じゃあ、立ち向かうために何を設定したのか。
それは人間の歴史的な「命」というものなんだよ。つまり自己の生の最大の躍動をもって為した、ということなの。
最初はちょっとズルイ設定だろ? 馬牌で自分は何もしねぇで部下に全てを解決させるっていうな。だから序盤はどうにもつまらん物語であったわけよ。そこをバランスよくするために、主人公を病弱にもしていたんだよな。
しかし、生の躍動を考え始めてから途端に良くなっていったわけ。

あの「殺形刀(サルヒョンド)」なんて最高にいいよなぁ。それを操る元述の凄まじい命がまた良いよ。ああいうものが続々と生まれて行ったんだよな。
まあ、やり過ぎて春香なんて、もう人間ではいられなくなっちゃったわけだけどな(笑)。あまりの生の躍動で、ああいうことにならざるを得なかったんだよ。

後半から主人公の回想がどんどんスゴイものを生んで行くじゃない。それがあの壮大なラストに上り詰めるわけだ。
これはエネルギーのラインを示しているのな。いい回転に入ると物語は活性化して行くんだよ。人生も同じな。
理性で考えて行くと、どうしようもないつまらんものしか出来ないわけ。よく覚えておけよな。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-08-09 09:27:55] [修正:2019-04-03 19:55:24]

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