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7.56点(レビュー数:25人)

作者渡辺航

巻数71巻 (連載中)

連載誌週刊少年チャンピオン:2008年~ / 秋田書店

更新時刻 2010-01-24 23:58:14

あらすじ 千葉県立総北高等学校の新入生、小野田坂道はアニメやゲームや秋葉原を愛するオタクである。中学時代にオタクの友達ができなかった彼は高校でアニメ・漫画研究部に入ろうとするが、部員数減少のため活動休止中であると知り意気消沈する。一方、同じく新入生で、中学時代に自転車競技で活躍していた今泉俊輔はトレーニング中、学校の裏に有る斜度20%をこえる激坂をママチャリで、しかも歌いながら登坂する小野田坂道を目撃する…。

備考 2013年、2014年テレビアニメ化

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この漫画のレビュー

7点 景清さん

なるほど、これは万人にお勧めしたくなる良作スポーツ漫画だ。

チャンピオンのお家芸である自転車競技をテーマに据えつつ、オタク趣味の草食系メガネ男子を主役に据えることで本誌特有のアクの強さをゆるめることに成功しており、間口の広い作品となっている。
根性だ熱血だといった価値観から遠く離れた位置にいたはずの少年、小野田坂道は、しかし「アキバにタダで行けるから」というそれだけの理由から千葉県-秋葉原間往復90kmの道のりを幼少期からママチャリ転がし続けてきた。
運動音痴で人付き合いも苦手だったそんな少年がしかし知らずに蓄積し続けた才能の片鱗が、高校入学の新たな出会いを経て一気に爆発する展開はベタだが熱いものがあり、また三つ子の魂も何とやらでそのように才能を開花させた後も萌えオタクとしての本分を忘れず鼻歌(アニソン)を口ずさみながら箱根の山を駆け登る主人公の姿は別の意味で頼もしく、またある種の不気味な怪物性(凄み)を見せつけている。主人公の常人離れした天才性の発露を、まさかアニソン鼻歌で表現してしまうとは!
そしてそんな不気味さもしかしナチュラルに受け流せてしまいたくなるような爽やかさも活写されており、作者の優れたバランス感覚が冴え渡っている。バランス感覚と言えば、体育会系的ノリから距離をとる一方で努力や根性を否定しないあたりも巧い。

そんなわけで連載開始当初から面白がって読んできた一方で、チャンピオンらしいアクの強さももうちょっと欲しいなぁと贅沢な不満を抱いていた。いささか優等生的すぎてチャンピオンらしさが足りないというか何というか…。

ところが、そんなある日のこと、いよいよインターハイ編がスタートした丁度その頃…!!

「弱泉くんや。 キモッ!キモキモキモキモッ!」

「アブ(腹筋)!アブ(腹筋)!アブアブアブアブアヴィィィィィ!」

三つ子の魂何とやら。やはりチャンピオン漫画はチャンピオン漫画なのであった。今後も楽しんで読もうと思います。




ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-01-06 23:54:20] [修正:2010-01-07 00:03:01]

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