あらすじ
朱よりも赤く、炎よりも深い、陶芸の究極の美、緋──。
東京の大学に通う主人公・松本美咲は萩の無名陶芸家である父の不慮の死を機に故郷に戻り、父の最後の言葉に従って窯の中に残っていた作品を取り出した際、奇妙な器を見つけた。器の側面に浮かび上がる鮮やかな赤。それこそが、陶芸において最高の美とされる、「緋」であった。焼物の町・萩を舞台に、亡き父の後を継ぎ伝統美の頂点に挑む松本美咲の未来は!? 感涙の陶芸ロマン!!
備考
1999年にNHKでテレビドラマ化された。
続編に「美咲の器 -それからの緋が走る-」がある。
原作者は「ゼロ THE MAN OF THE CREATION」などの原作として数多くのペンネームを持っており、この作品限定のペンネームであるジョー指月は萩城の別名・指月城(しづきじょう)から取られたもの。
この漫画のレビュー
6点 朔太さん
若い女性陶芸家の奮闘記です。
最終的には15巻と長編となりましたが、主人公美咲さんの「緋」に対する
執念や熱意が終始一貫して物語の中心にあって、分かりやすいです。
一方、陶芸の奥深さが簡単には理解できないので、蘊蓄なんかはつい
読み飛ばしてしまいます。
また、料理漫画などに出てくるような陳腐な陶芸対決がところどころに
出てきて、作品の質を落とした感があります。
迷走しながらも、最終巻近くなると急速高温加熱の可能な窯や、土の秘密など
必要要素が出そろってくる辺りは、納得性が高いものでした。
後の時代に、実在の女性陶芸家をモデルにした朝ドラがありましたが、
本作品とも同じ人物をモチーフにしたドラマだったのかな、と邪推しております。少しお疲れ感はあっても、読後感は悪くない作品でした。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2025-04-12 09:09:03] [修正:2025-04-12 09:09:03]