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7.97点(レビュー数:46人)

作者ちばてつや

原作高森朝雄

巻数20巻 (完結)

連載誌週刊少年マガジン:1968年~ / 講談社

更新時刻 2011-01-12 12:53:56

あらすじ ある日ふらりと下町のドヤ街に現れた、天涯孤独な少年・矢吹丈。腕っぷしの強さが元ボクシングジム会長の飲んだくれオヤジ、丹下段平の目に止る。ボクサーを育てる事に生涯をかける段平は、夢の実現を託そうとするが、丈は詐欺窃盗事件を引き起こし、高等少年院へと送致されてしまう。だがそこには、生涯のライバル力石徹がいた。

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この漫画のレビュー

[ネタバレあり]

男の孤独と魂をうたう感動巨編。

少年院での出逢いから続く、ライバル力石との宿命の対決が終わる8巻までは
その強烈な面白さに、今なお熱狂覚めやらぬといった感じ。
そのあとの展開は、陰鬱で爽快感に欠けるもので、
リングの中に死に場所を見つけ、破滅への階段を一歩一歩登っていくような、
そんな悲愴感に読んでいて苦しくなるばかりでした。
でもこれは、ジョーを慕う白木葉子が抱える苦しみといっしょだということに気づき、
その結果わかった事は、
結局、読んでいた私自信も、矢吹丈が放つ眩いばかりの情熱と
それに反するように敏感で繊細な心と、
悲しいくらいに不器用な生き方に
すっかり魅入られていたことでした。

非常に残念なのは、
作品は知らなくても、これだけは知っているというくらい有名な、
力石が試合後に握手しようとして倒れるシーンや
ラストの真っ白に燃え尽きるシーンにいくまでの、
迫力や盛り上がりが欠けており、
淡白な味気のない構成になってしまった事でした。
この点に関してはアニメの方が断然良かったという印象です。

名作と謳われ、もてはやされいる作品ですが、
そういう先入観を持たずに読んだ方が、より面白くなることと思います。

◇この作品の個人的価値=全20巻で 7000円也

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-08-16 00:42:37] [修正:2005-08-30 22:11:28]

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