あらすじ 主人公・玄野計は、ちょっと斜に構えていて無気力、女の子の事位しか考えていない16歳の高校生。ある日、地下鉄のホームで小学校時代の同級生・加藤勝が、線路に落ちた男を助けようとする現場に遭遇し、そのまま加藤とともにはねられバラバラになって、即死…と思われたが、瞬時にしてマンションの一室に移動する。そこには巨大な黒い球体と、玄野たちと同様に「死んだはずの」人間が集まっていた。「ガンツ」と呼ばれるその球体は、部屋に集まった玄野たちに指令と武器を与える。そして、彼らは否応なしに、正体不明の宇宙人と戦うというミッションを課せられるのだ。
備考 2004年TVアニメ化。2005年PS2でゲーム化。また2011年実写映画化された。途中から隔週連載になった。
この漫画のレビュー
7点 おいきむさん
現代の日本の16歳の男子高校生が主人公のSFバトルアクション。
一度死んだ人間が強制的にマンションの一室と思しき空間に集められ、謎の黒い球体「GANTZ」を通じて命ぜられるがままに「宇宙人」狩りを行う。
目的も意味も明かされず、主人公たちは標的を殺さなくては生き残ることができない状況に置かれる。
読者は主人公と同じく何も情報を与えられない。あたかもルール不明なビデオゲームの世界に放り出されるような感覚だ。
主人公は生死をかけたゲームを通じて、仲間との出会いと別れを繰り返しつつ、自分と向き合い、人間的に成長してゆく。
恋人はどちらかというと地味な感じの普通の少女で、付き合うことのきっかけも賭けで負けた罰ゲームである。
しかし、彼女はやがて主人公にとってはただ一人の理解者となり、最重要の存在となってゆく。
主人公は恋人に自らの存在意義をかけている。それゆえに恋人の行く末が今後の物語世界の核になっていくだろう。
「GANTZ」世界における「死」は、ビデオゲームと同様に、即物的に淡々と描かれている。
血液や内臓や骨が飛び散る有様をリアリスティック(?)に若干誇張して描いているのは刺激的なアクセントが狙いだろうか。
しかし「死」にリアリティを感じるのは、死にゆく人のそれまで生きてきた人生について多少なりとも認知した上の話なので初対面同士の生き死にについての描写としてはこのようなものかと思う。
またある意味、これがこの作品における唯一のリアリティかとも思う。
個人的にはいくつか謎が残るが、そもそもの設定が設定なのであえて謎のままで許容している。
全編にわたるスリルとスピード感が魅力。いったん読みだすと止まらない。
29巻まとめて借りて一晩で一気読みしてしまった。
最新巻を楽しみにしている。
まだ読んでいない人にも一気読みがおすすめ。寝不足覚悟でぜひ堪能してください。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-12-19 17:54:14] [修正:2010-12-19 17:54:14]