ホーム > 不明 > DC Comics > バットマン・アンド・サン

5.5点(レビュー数:2人)

作者アンディ・キューバート

原作グラント・モリソン

巻数1巻 (完結)

連載誌DC Comics:2006年~ / 小学館集英社プロダクション

更新時刻 2012-03-29 23:27:44

あらすじ バットマンの前に突如現れた少年。それは、宿敵ラーズ・アル・グールの娘タリアと、バットマンの間に生まれた息子ダミアンだった! タリアとダミアンの狙いは何なのか……。父と子の絆、軋轢、そして葛藤を描いた衝撃作がついに初邦訳! 『バットマン:アーカム・アサイラム 完全版』『WE3 ウィ―スリー』のグラント・モリソンと『バットマン:ザ・ラスト・エピソード』(いずれも小社刊)のアンディ・キューバートが“ダークナイト”の正史を塗り替えたことで知られる名作『バットマン・アンド・サン』。これはグラント・モリソンの壮大なる“バットマン・サーガ”の始まりにすぎない……。

備考 収録作品「バットマン:サン・オブ・デーモン(作・マイク・W・バー 画・ジェリー・ビンガム)」「バットマン・アンド・サン」

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この漫画のレビュー

5点 booさん

 バットマンの息子・ダミアンが登場するこのバットマン・アンド・サン。本編に加え、ダミアンの元ネタである「サン・オブ・デーモン」も収録されています。こちらの出来はあまりよろしいのは言えないのだけれども、興味深くはあるし、小プロのサービス精神はありがたい。

 アンディ・キュバートの精緻で見やすいアートとは対照的に、モリソンのライティングはすごく居心地が悪い。シンプルな物語だったWE3とは異なり、モリソンが“癖の強い作家”であることがよく分かった。

 一つには、明確なヴィランが登場しないというのがあって。事件が起こり、それを解決するためにバットマンが調査、最終的に犯人を見つけてやっつけるというバットマンコミックの基本構造、これに全く当てはまらない。
 バットマン・アンド・サンで描かれるのは、母親に殺人術を仕込まれた我がままなクソガキ・ダミアンと、ダミアンの登場によって揺れるバットマンやロビン、そしてアルフレッドの姿だ。父親としてのブルース、ダミアンという実子の登場に不安を覚える養子のティム。親と子を軸にバットマンファミリーの人間関係の軋轢を描く…これは今までになかったおもしろみである気はする。まだこの作品だけでは判断できないのだけれども。

 ダミアンが一端退場した後は、バットマンの衣装を着たモンスター警官の謎を巡る物語に話が移る。中途半端な所で話が切れるので、この作品だけでは(以下略)。そしてまた3人の精霊(警官)が出てきたのは、クリスマスキャロルのあれかな? やっぱりアメリカではメジャーな題材なのかもしれない。
 さらに最終章はダミアンがバットマンになっている未来の物語。この作品(以下略)。

 どんなシリーズものでもTPB単位では一端ある程度話を区切ってくれるのが一般的だと思うのだけれども。バットマン・アンド・サンは全体の一部分にすぎない趣き。消化不良感が尋常じゃない。
 この作品だけでは全く評価のしようがないよなぁ。今までに見たことのないバットマンコミックのスタイルであることは確かなので、この先どんどん盛り上がっていくことは期待してます。ゆえに、今の所なかなかおすすめしにくい気もしないでもない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-04-13 00:52:29] [修正:2012-04-13 00:52:29]

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