ホーム > 不明 > DC Comics > バットマン:ラバーズ&マッドメン

6点(レビュー数:2人)

作者デニス・コーワン

原作マイケル・グリーン

巻数1巻 (完結)

連載誌DC Comics:2006年~ / 小学館集英社プロダクション

更新時刻 2011-09-19 13:53:16

あらすじ バットマンがゴッサムシティの守護者となってから10か月が過ぎ、街はいつしか平和を取り戻せるかに見えた。だが謎の犯罪者“ジャック”の出現が、その微かな希望をも打ち砕いてしまう。 バットマンに執着し、無差別な犯罪を繰り返すジャックは、ついにはブルース(バットマン)の恋人まで手にかけていく。ジャックの狂気を止める術は無いと判断したバットマンは彼にある罰をくだした。それが最凶の犯罪者“ジョーカー”を生み出すことになるとは知らずに……。

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バットマン:ラバーズ&マッドメンのレビュー

点数別:
1件~ 2件を表示/全2 件

6点 columbo87さん

ジョーカーのオリジンの一つとして最近描かれたもの。恐らく新規の呼び込みなのかな?とても読みやすい。
やはりジョーカーというキャラクターはバットマンがいてこそ、あるいは逆もまたそうなのだが、光と影のようなものなのだというのが共通認識としてちゃんと存在している。こういう換骨奪胎された作品の中にそれを実感できるとなんだか感慨深い。

コメディアンでもない寡黙なジャックからジョーカーへと変貌する場面にはちょっと戸惑うが、バットマンとの関係性を非常に判り安く、それでいて固定観念にあまり囚われずに表現している。恐らく長年のファンにも新解釈として面白く読めるんじゃないかと思う。
微妙にハーレイとかスケアクロウになる前の人達も出てきたりする。
「キリングジョーク」と違ってバットマンの側にも焦点が置かれており、「マッドメン」という複数系なタイトルに即した内容となっていて良し。やっぱバットマンは狂人ですよ、ジャックの視点からみるとなおさら。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-10-15 17:22:10] [修正:2011-11-02 16:36:48] [このレビューのURL]

6点 booさん

ジョーカーのオリジン話ってこれで何回目なのかな?
キリングジョーク以来のジョーカー創生譚。

オリジンが何回も書かれるってのもおかしな話だけどそれもアメコミの特殊性ゆえ。ある意味全部極めてレベルの高い二次創作みたいなもんだもんなぁ。
ただジョーカーに関しては過去の記憶が記憶が錯乱しているということで、やつのジョークの一部と思えばもはや何でもありだね。キリングジョークと比べてはあれだが、これはこれでまた違ったジョーカーのオリジンを楽しませてもらった。

「彼は“人間存在とはあきらかに異なる化け物”だ。」
「私は人間以下の存在を相手にしているというのか?」

バットマンがゴッサム・シティに現れてから10ヶ月、犯罪者はバットマンに脅えて影を潜め、夜には時に子どもの姿さえ見られるようになった。ブルースは彼のやり方に対する手応えと街の平穏に安堵し、久々の安息を感じていた。
しかし謎の男ジャックの出現が全てを一変させる。ジャックによってブルースが今まで築いた成果、そして彼の自信は崩壊する。そして決断を迫られたバットマンは…。

デニス・コーワンの個性的で見事なアートに魅せられつつも、物語は小気味いいテンポで進み、さくさくと読まされる。バットマンの焦燥、ジョーカーの目覚め、2人の綱引きはどちらに転ぶのか。
何といっても台詞回しがいい。上で引用したような精神科医との会話を代表とした印象的な言葉には唸らされる。

少し違和感を感じたのは、ジョーカーがソシオパスとして描かれているところに所以するように思う。
作中で説明されるように、ジョーカーは、ソシオパスは理解不能というのがこの物語の中での認識だ。いわゆる純粋な悪、人ではなく病原体のようなもの。一つの解釈としておもしろいし、それは別に構わない。ただそれでいてこの物語ではジョーカーを掘り下げようとする部分も感じられる。でもそもそも理解不能を掘り下げるっておかしな話じゃないか?

またタイトルにはマッドメンという言葉がある。複数形、マッドメンというなら彼らは同じく狂気の側にいるはずだ。
でも私がこの作品から感じたのは前述したように理性と狂気の両端にバットマンとジョーカーが立って綱引きしている姿。引きずりこまれそうにはなっても同じ側にはいないように感じられる。

個人的にはそういう風に疑問に思った部分もありつつも、わりかしシンプルに楽しめるジョーカー誕生譚。爽快さもあれば、ヒーローゆえの哀愁をも漂う男の物語。
アザレロの「JOKER」とセットでジョーカー好きならおすすめしたい。キリングジョークを先に読んでおいて欲しくはあるのだけど。

ラバーズ&マッドメンの先にキリングジョークの結末があるかもしれないな、なんて想像するのも興味深い。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-10-27 00:39:23] [修正:2011-10-27 00:47:59] [このレビューのURL]


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