ホーム > 不明 > DC Comics > バットマン:ブラックグローブ

6.5点(レビュー数:2人)

作者複数作家

原作グラント・モリソン

巻数1巻 (完結)

連載誌DC Comics:2007年~ / 小学館集英社プロダクション

更新時刻 2012-05-16 23:40:23

あらすじ バットマンとロビンは、ジョン・メイヒューなる人物が所有する島に招待され、往年のヒーロークラブの面々と過ごすこととなった。だが招待主であるジョンは現れず、ジョンの皮を被った謎の人物がスクリーンに映し出され、自分がジョンを殺したと話し始めた。そして男はバットマン達に次のように告げた。「この殺人事件の謎を解明するか? それとも死を選ぶか? ブラックグローブは予言する。お前達全員の死を」。この予言どおり、ヒーロークラブの中から第一の犠牲者が出てしまう。はたしてブラックグローブとは何者なのか? バットマンの運命はいかに!? 『バットマン・アンド・サン』から本書へとどのように繋がっていくのか? また「バットマンは“父親”に殺される!?」というショッキングな見出しで話題となった『バットマン:R.I.P.』(小社より5月下旬刊行予定)へとどう続いていくのか……謎が謎を呼ぶグラント・モリソンの新“バットマン・サーガ”はまだ始まったばかりである……。

備考 ペンシラーはトニー・S・ダニエル、J・H・ウィリアムズ?、ライアン・ベンジャミン。

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この漫画のレビュー

7点 columbo87さん

グラント・モリソンによるバットマンサーガーエピソード3,中身も3本だてみたいなもんで,1本目の「ブラックグローブ」は久々のサスペンスもの。
孤島に集められたヴィジランティ集団,次々に起こる殺人事件,暇を持てあました大富豪の真意とは?マスクの下に隠された本意とはいかに?そして裏で糸をひく「ブラックグローブ」とはいったい・・・?
目を引くのはアートですなー。コマ割り始めコマそのものまで凝った作りになっていて読んでいて楽しい。水彩や油絵,ペイント画とか,1コマの中でさえ使い分けているのが特徴的。特にバットマンを褪せた色で描くことでその異質さを浮かび上がらせているのはGOOD,他のヴィジランティはどこかしらコミカルな色調で描かれる場合が多かったりして。
アメコミってこういう面白いテクニックを使えるポテンシャルが高いと思うけど,実験漫画みたいなのって意外と少ないよーな気がする(知らないだけだろうが,邦訳じゃあんま見ない)。コマ割りなんて日本の漫画の影響が大きいらしいですよ。WATCHMENの3段×3コマってのも結構なチャレンジだったらしいけど,文化的に絵で魅せるのに長けているんだし,この本みたいな効果も巧いこと使えるようになれば漫画自体も進化していくんじゃないかなとか思う。
普通に絵のクオリティーとしても邦訳じゃかなり高いと思うのでそれ狙いで買ってもいいんじゃないかしら。ストーリーも(モリソンにしちゃ)分かりやすくて読みやすいのでオススメ。常にクールなバットマンはやっぱかっこいいぞ!
この話はキャラクターや設定を50年代のバットマンストーリーから持ってきているんですね,そんで巻末に元ネタエピソードも載せてくれていますが,これが面白い。いろんな土地でバットマンに憧れたタフガイたちが自警活動をしているという話。フランス,ローマ,メキシコ…いろんなコスプレおじさんたちが入り乱れる様は圧巻。中でもインディアン(ネイティブアメリカンに変えなかったのは偉い!)のマン・オブ・バッツ首長はいろんな意味で凄いキャラ。なにせ本名が「グレートイーグル」ですよ。鷲の名を冠しながらコウモリに扮する君に誇りは無いのか!?正体がバレない為の工夫?モロにバレてますよ。
その他にも元ネタになってそうな昔のエピソードが多数収録されてますので,今と違って軽いノリのバットマンも楽しめてお得。
そうそうヒーロークラブと言えばアニメ「バットマン:ブレイブアンドボールド」にもこれが元ネタになってるエピソードがありましたね。それぞれのバットマンに対するジョーカー的キャラが居てカオスで笑える。

後半は舞台をゴッサムに戻して偽バットマンとの対決とブルースの恋がメインになって進行する。バットマン・アンド・サン以来の謎がついに明かされ…そしてバットマンは死を体験する。物語は途切れ途切れに展開され,幻覚なのか,過去の出来事なのか或いは異世界の出来事なのか判然としない。わかるのは決着が近いということだけ。真の敵は一体?ブラックグローブとはなんぞや?そしてブルースとイザベルの恋の行方は?予測がつかない展開に手に汗握る第3弾!必見!!必見!!

見所はなんと言ってもよくわからん場面展開!エッセンスだけよこして「足りない部分は自分で妄想しろ」てな感じの見せ方が最高です!
不可解なシーンはバットマンの幻覚なのだろうか,「ラーズ・アル・グールの復活」で急に出てきたトゥゲル(穴に引き籠もる瞑想法)中に見た夢かなんかなんだろうなーとは思う。同時に登場するバットマイトは現実と虚構の狭間の存在として効果的な登場の仕方だと思う。モリソンのバットマンは何考えてるか分からんから深層心理に触れてくれるのはありがたい。
そしてバットマンの危機を察知して参戦を決めるタリアとダミアン母子!これがカッチョイイ!宿敵が手を貸しに来るみたいな展開は燃えるぜ!

しかし本当どうなるのか全く予測がつかない。謎のワード「ズー・イン・アール」って一体何?ブラックグローブの正体って何?そしてバットマンが想定する最強の敵に対しての作戦とは?気になるけど知りたくない!
R.I.Pが待ち遠しい!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-06-03 21:40:03] [修正:2012-06-04 02:36:19]

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