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8.22点(レビュー数:9人)

作者能田達規

巻数13巻 (完結)

連載誌週刊少年チャンピオン:2001年~ / 秋田書店

更新時刻 2009-11-25 06:31:02

あらすじ スペイン帰りの少年ストライカー・ムサシの加入から始まる、弱小クラブ・南予オレンジFC奇跡の復活劇!!

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この漫画のレビュー

7点 booさん

サッカー漫画の隠れた名作といわれる作品。
スペイン帰りの天才ストライカーを中心にJ1(作中ではF1)への昇格に熱く燃える南予オレンジ の躍進を描く。

J2のクラブを舞台として貧乏クラブの経営問題、弱小クラブへの地方自治体のお荷物としての批判、代表への召集、サポーター問題などかなりマニアックな題材を取り上げている辺りがかなり先進的です。数多あるサッカー漫画とは目の付け所が違っていてかなり興味深い。
そういう二次的な要素が楽しめるのも、やはり熱くなれる試合があってこそ。最初の方の期待されてなかった仲間がどんどん覚醒していく展開なんて王道ですが鳥肌ものでした。下柳なんてあのフラミンゴがめちゃくちゃかっこよく思えましたから笑。最後の昇格をかけた2試合は言うに及ばず。さくさく進むのもいいですね。最後の方には戦力外通告や移籍を示唆する場面もあり、勝負の世界の厳しさというのも感じられる作品でもありました。

欠点としては導入部とフロントのリアリティのなさ、そして何といっても画力です。
導入部のあまりに漫画的な感じはその後と比べてかなり違和感がありました。そして結局最後まで違和感ありありのフロント。社長、スカウト、広報、マネージャーなど絶対こなせない内容を高校生の女の子がほぼ1人でやるのはいくら貧乏といってもちょっとね…。ここは作者も反省があったのか後にオーレ!で詳しく描いてはいるようですが。
絵は正直きつかった。意外なことにここのレビュー見てるとあまり気になってる方はいないようですね。個人的には、話に深く没頭している時に絵のせいで現実に引き戻されることがけっこうありました。特に序盤の効果線なんてひどかった。下手というかアクション向きではないというか。当たり前のことですが、やはり漫画は絵と話の両輪そろってこそだなというのを強く感じます。

ジャイキリとよく比べられるのは似たような題材を扱っているからでしょうね。どちらにもそれぞれの良さはあると思いますよ。サポーター問題一つ見ても明らかですが、ORANGEがテーマを分かりやすくすっきりと描いているのに対して、ジャイキリはより肉付けしてやることでドラマ的なおもしろさをも楽しませてくれます。
何を求めるかは人それぞれでしょうが、良質なのは間違いないんだからどっちも読めばいいじゃない!別に片方がもう片方の下位互換とかではなくて一長一短あるのでどちらも楽しめればベターです。

主に絵が原因で話に乗り切れなかったので7点。絵と相性がよければもっとはまれるのにというこの残念さは話が非常に良かったからなのでしょう。しかし高得点も納得の傑作ということは間違いない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-08-23 15:36:39] [修正:2011-08-24 22:25:41]

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