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9点(レビュー数:4人)

作者石ノ森章太郎

巻数37巻 (完結)

連載誌ビッグコミック:1984年~ / 小学館

更新時刻 2009-11-25 06:40:49

あらすじ 「ホテルはひとつの都市である」。宿泊施設、レストラン、薬局、靴磨きと、生活に必要なものすべて取り揃えた大型ホテル・プラトンを舞台に繰り広げられる、様々な人間模様を描いたヒューマン・ドラマ。
 

備考 第33回(昭和62年度)小学館漫画賞受賞。
数度にわたってテレビドラマ化。石ノ森の息子である小野寺丈も出演している。
文庫版は全25巻。
 

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HOTELのレビュー

点数別:
1件~ 4件を表示/全4 件

8点 朔太さん

石森章太郎は、言わずと知れた手塚治虫と並ぶ漫画創生期の天才である。

500巻770作品をこの世に残し、60歳でこの世を去った。

個人的には、サイボーグ009、佐武と市捕物控に出会えた驚愕の思いが

何十年も継続しているので、本作品はこれに準じてしまうけれども、

ホテルという単純は舞台仕掛けで37巻にわたる読みきり物語を創出する

そのポテンシャルの高さに圧倒される。

一つ一つの作品は良く練られ各回完結している。手塚のブラックジャックに

似た凄さを感じる。恐らく、競い合うように作品を毎週世に出していたのだろう。

物語、作品にプロの美しさ、潔さがテーマに頻出するが、自らをそこに

投影していたのではないか。



ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-12-31 18:47:48] [修正:2011-12-31 18:47:48] [このレビューのURL]

9点 とろっちさん

業界もの漫画の先駆け的存在でありながら、未だにこれを超えるような作品は思いつかないです。

「お客様は神様です」や「申し訳ございません」連発などのイメージもありますが決してそんなことはなく、
ホテルマンを聖職者扱いせず、綺麗事だけではない本音の世界が描かれていて非常に興味深いです。
最初っから客を疑ってかかったりとか(まあそれもどうかと思いますが)。

最初の頃はホテルを舞台とした群像劇、途中からは従業員をメインにした業界ものとなっています。
東堂マネージャー、もしくは若手社員の赤川くんも一応の主人公格となっていますが、
二人が出てこないことも多く、それどころかホテルの従業員が話にほとんど絡まないこともあります。
言ってみれば、ホテルに泊まる人、ホテルで働く人、ホテルを一時的に利用するだけの人、
それら全ての人に様々な角度からスポットを当てて見事に描き出した傑作。

人の生死にまつわるような話ではないですし、単にホテルを利用する人とその従業員という構図は
どうしても淡々と落ち着いた内容になってしまいがち。
ただ、100組の宿泊客がいれば100通りの物語があります。 同様に従業員の数だけ物語があります。
宿泊の話はもちろん、ホテルのフロント、クローク、バンケット、照明、営業、設備点検、ドアマン、厨房、
客室係、経理、庭師に至るまで様々な職種の人たちが主役となり、様々な物語を織り成していきます。
確かに派手さはないものの、これほどまでに安定した面白さで多彩な物語を描けるのも巨匠ならでは。

当初は作者が群像劇を意識しすぎたのか、話によって出来不出来の差がかなりあります。
従業員メインの話になってからは、東堂さんの仕事っぷりがほぼ完璧に近いので、同じ社会人として
本当に感心するばかり。 ただその点での面白みには欠けるところがあるかもしれません。
作者もそれよりは、危なっかしいながらもどんどん成長していく赤川くんや、たまに男を見せる
松田さんの方が話作りがしやすかったのかも。
まあ基本的には毎回ハッピーエンドを迎えるために話が上手くいきすぎる感も結構ありますが、
それでも途中からは話にどんどん厚みを増して、手が付けられないほど面白くなってきます。

とりあえず念のため、当たり前ながらこの作品はフィクションです。
あまりのリアリティゆえにまるでこんなホテルが実在するような錯覚に陥ってしまうかもしれません。
業界もの漫画では、その内容の真偽はともかく(素人には判別つかないので)、いかにも本当だと
思わせてくれるような確固たるリアリティを持ったものが個人的には良い作品だと思います。
そういう意味で、やっぱりこの作品を超えるような作品はなかなか出てこないでしょうね。

文庫版表紙での世界の一流ホテルの写真も雰囲気作りに貢献していて素晴らしいです。
一流ホテルでの人間模様と舞台裏を見事に描いた、格調高いながらも庶民的な趣もある傑作。
巨匠の代表作と呼ばれるに相応しい作品です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-11-22 01:37:16] [修正:2011-11-22 01:42:55] [このレビューのURL]

9点 一般人さん

何のひねりもない、ホテルを中心とした人間を描いた漫画。
それがここまで面白い。
「ホスピタリティ」という言葉を突きつめ、具現化させたようなホテルの中でよくいそうな人物が起こす数々の話。
人間を描いた漫画でこれを超えるのは無いんじゃないか、とまで思いました。
まだ読んだことが無い漫画があるから10点は出さない、という信念を崩しそうになりました。
ただ、やっぱり絵が昔の絵なので、最近の漫画しか読んだことが無い人はなんだこれ、古っ、と思って放り投げてしまうかもしれません。
もったいないことです。見かけたらとりあえず手にとってみることをお勧めします。


ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-03-22 23:26:28] [修正:2011-03-22 23:26:28] [このレビューのURL]

10点 イカ墨さん

これはもう十点をつけるざるを得ないといっても過言じゃない漫画だと思います さすが章太郎先生だとおもいます
いまスラムダンクが一番評価が高いですが昔のマンガにもそれを越えるくらいの名作があることにこの漫画を読んで気がついてほしいです

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-09-23 14:35:17] [修正:2009-09-23 14:35:17] [このレビューのURL]


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