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5.8点(レビュー数:5人)

作者細野不二彦

巻数24巻 (完結)

連載誌ビッグコミック:2003年~ / 小学館

更新時刻 2009-11-25 06:27:24

あらすじ 平凡な街金融・月影ファイナンスのダメ営業員、春居筆美。
趣味(特技?)は手品。頼りなく、押しも弱く、同僚の小泉じゅんも心配している危なっかしい奴です。巣鴨店長の下で、回収に励む毎日。
しかし、春居にはもうひとつの顔がある。月影ファイナンスの影のオーナーにして、巷に跳梁跋扈する輩を成敗する闇の魔術師である。
コードネームはDr.WHOO。善良な人々を食い物にする不埒な人間を相手に、Dr.WHOOの超絶技巧のマジックが、今日も闇に炸裂する――――

(単行本裏表紙より)

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ダブルフェイスのレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全5 件

6点 朔太さん

8年に亘る連載と24巻完結を思うと、長編ならではの一貫性とエンターテインメントを感じる作品でした。

<展開>
・前半は世間の小悪を見つけては退治する「世直しマン」の陳腐さが鼻につきます。世を忍ぶ冴えない街金サラリーマンを装いながら、小悪党と遭遇するなり「負債あり」とかなんとか言いながら自分の利益につながらない征伐をする単発読み切り風のお話が延々と続いていました。
10巻くらいまで続いた後は、主人公春居の過去との因果とからめて、巨悪の柳原代議士との対決が始まります。
隠されていたはずのヒーローの過去や正体まで敵に知られるようになってくると、それまでの無敵感からそれなりのハラハラ感が生まれてきます。
様々な敵味方あるいは正体を探るジャーナリストを並行に登場させるあたりは巧妙でした。

<作画>
・ベテラン細野不二彦ですので、安定した筆使いではありますが、いつまでたっても上手い絵とは思えないのは私だけでしょうか?
・一方で巨匠手塚治虫の影響を受けたかのような人物画も嫌いではありません。

<エンターテインメント性>
・ダブルフェイスの題名通りに、表裏の顔を持つヒーローの活躍は、前半は狙い通りとは言えず、飽きがくるものでした。
しかし、その表裏二面性が崩壊する危機が近くなればなるほど面白さが出てくるという構成でした。後半だれがちな作品が多い中で、最終話にかけて盛り上がりを見せる作品です。

ギャラリーフェイクとともに、長編2大作品として細野氏の代表作になりました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-12-04 17:21:43] [修正:2016-12-04 17:22:55] [このレビューのURL]

5点 Scroogeさん

零細街金の冴えないサラリーマン春居。
日々店長や同僚に舐められながら顧客の為に汗をかく。
しかし、それは世を忍ぶ仮の姿。
その真実は法で裁けない悪を裁く魔術師ドクター・フー。
散りばめられたマジックの小ネタが楽しく、お裁きではさらにド派手なマジックが映える。
サラリーマンの日常編とドクター・フーのお裁き編のコントラストは陳腐とはいえ解りやすくて面白い。

中盤からはドクター・フーの背景設定が明かされていき、
彼が悪を裁くのには理由があり仲間がいることがわかる。
彼らはクロブチ機関を名乗る一味で、政界の黒幕クロブチという男が、
日本を掃除するためワケアリの男女を集めた、
暴力と犯罪による正義の執行を旨とした組織であった。
ドクター・フーはその一人というわけ。

終盤では春居でもなくドクター・フーでもない。
彼自身の戦いを描く。

基本的には大した話ではないが、そこは細野不二彦。
人間の醜い部分を嫌にならない程度に織り交ぜて読んでいて飽きない。
強引な結末もキャラクターに感情移入できていれば許容できる。
良い意味での娯楽漫画と言える。

*雑考
主人公ドクター・フーははっきり言って気持ち悪い。
3億円の豪華マンションに住み夜景を見ながら裸で筋トレしている。
キメ台詞「この債権有効なりや?」もどうかしているとしか思えない。
しかし、それでもなお言動に憎めないところがあって、それが作品全体の救いになっている。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-11-29 22:12:32] [修正:2011-11-29 22:16:03] [このレビューのURL]

7点 yiconさん

序盤から中盤におけるDr.WHOOの暗躍は痛快そのものですね。しかし対諸星のエピソード群と比較して柳原との対峙が意外にあっけなかったなあと思った。実際、対諸星あたりが山場だったのかも。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-08-08 05:21:52] [修正:2011-08-08 05:36:36] [このレビューのURL]

3点 道化師さん

普段は冴えないサラリーマンが、悪(小物が多い)から弱いものを守るヒーローに!というスーパーマンっぽい漫画。

そらね、こういった漫画は普段辛酸を嘗めているような読者には「ざまあみろ」と受けが良いかもしれないけど、これにはヒーローっぽさが無いのが僕には気に食わない。

やっぱりヒーローってのは悩まなきゃ。
「力」っていう凡人には存在しない能力を保持しているが故の悩み、それがあるからこそ読者である我々はそのヒーローを愛する事が出来るんだと思う。
前述したこのタイプのヒーローの先駆けであるスーパーマンは凄い悩んでたし、だからこそ今もスーパーマンは世界中で人気があるんじゃないだろうか。

所詮悩まないヒーローなんて「ヒーローもどき」に過ぎないんで、それなりの点数にしときました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-05-04 21:24:19] [修正:2005-05-04 21:24:19] [このレビューのURL]

8点 団背広さん

ギャラリーフェイクが美術版ブラックジャックなら、ダブルフェイスはズバリ現代版「必殺仕事人」!
超人的な技術を持つ天才手品師Dr.WHOOが世の悪人どもに裁きを下す痛快娯楽漫画!!
途中で消費者金融の話や手品に関するトリビアとかで休憩しつつ、悪徳商法で儲ける連中、ゲーム感覚で万引きするクソガキ、暴力で物事を解決するヤクザとかの嫌な奴らをDr.WHOOがガンガン裁いていく!これは読んでいて実に爽快なカタルシス!これこそ漫画の醍醐味だ!!
個人的にはギャラリーフェイクよりも好き。っていうか大好き。

にしても細野先生は目の付け所が面白いよね。このダブルフェイスも、わかりやすく表現するなら「特命係長只野仁」+「バットマン」+「まじっく快斗」だもんなぁ。
パクリだとか言ってるんじゃなくて、スタンリー・キューブリックも言ってたことだがアイデアの本質は「いかに既存の物を上手く組み合わせて新しく見せるか」。ダブルフェイスはそれに思いっきり成功しているってのを言いたいのよ。

いやぁ、愉快な漫画です。手品が好きなサラリーマンの人とかもしいましたら、是非読んでみて下さい。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-05-04 19:45:20] [修正:2005-05-04 19:45:20] [このレビューのURL]

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