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8.5点(レビュー数:2人)

作者谷口ジロー

原作川上弘美

巻数2巻 (完結)

連載誌漫画アクション:2008年~ / 双葉社

更新時刻 2011-04-20 23:10:18

あらすじ 37歳のツキコさん。居酒屋で一人好きなつまみを頼んで飲むのが好きなのだが、ある時隣で自分と同じつまみを頼む老人が。実は高校時代の恩師だった。
以来、二人は約束するでもなく、時折酒を飲むようになり、かつての師弟とは違う空気が流れるように。

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センセイの鞄のレビュー

点数別:
1件~ 2件を表示/全2 件

8点 torinokidさん

本当の意味での「大人の恋愛」を描いた佳作。

老齢の元教師と30後半の元教え子との恋愛が主題だから
ともすれば下世話な話になってもおかしくないのに
見事なほどに清々しい。まさに純愛。

原作は現代純文学の名作ともいわれているらしいが
これを完璧に漫画化した谷口氏の力量には素直に脱帽。
さすがです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-05-14 22:35:31] [修正:2011-05-14 22:45:48] [このレビューのURL]

9点 blackbirdさん

原作は読んでいないが、雰囲気をそれほど損ねず、いい感じの漫画化となっている様子。
原作者がそこまで考えていないことも絵にして見せないといけないので、原作がしっかりした文学を漫画化するのは結構大変かも。

谷口氏の絵柄や雰囲気と、先生と元教え子の微妙な空気感がとても合っていて、ツキコさんの言う「センセイから出る放射」的な暖かさのようなものが伝わってくるよう。

感情がなかなか外に出ない(出せない?)センセイが、時々ちょっと違うテンションになる時、自分でも気持ちを持て余しているのかな、自信がないのかなと、老齢なのに不思議な感じ。逆にブレーキをかける力が強くなるから、時々溢れてしまうような。

一方ツキコさんも、格好いい同級生には違和感を感じ、親ほどに年齢が離れたセンセイには安心してしまう。傍から見れば気持ち悪いといわれかねないが、お互いで一緒にいる空気感に包まれる存在に出会えたという事は、すごく幸せなことですね。たとえそこに死の影がつきまとっていても。

クライマックスから最後が本当に数ページで終わってしまうのも、逆に余韻が大きく、儚さを残している。
個人的には、キノコ狩りでセンセイが山に消えそうになる話が好きでした。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-04-27 14:03:14] [修正:2011-04-27 14:03:14] [このレビューのURL]


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