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4.5点(レビュー数:2人)

作者トニー・ムーア

原作ロバート・カークマン

巻数10巻 (連載中)

連載誌海外作品:2003年~ / 飛鳥新社→ヴィレッジブックス

更新時刻 2011-11-06 01:47:12

あらすじ 昏睡から目覚めると文明は崩壊していた。田舎町の警官リックは、ようやくのことで愛する妻子と再会するが、それは長く過酷な旅の、ほんの序章に過ぎなかった……。「ゾンビ発生」という極限状況でむき出しになる人間の本質とその中で変容してゆく人間性を克明に描く「ホラー」や「ゾンビもの」というジャンルを超えた正統派ヒューマン・ドラマ。町山智浩氏推薦! 「これはゾンビ・コミックの傑作というだけではない。国家も法律も消滅したアメリカの荒野を約束の地を求めて生き抜く主人公は、自らの手探りで十戒を創出せざるを得ないモーゼであり、フロンティア・スピリッツの再生者なのだ。 特設サイト http://www.asukashinsha.jp/walking-dead/

備考 ペンシラーのトニー・ムーアは1章のみの担当で、その後はチャーリー・アドラードに引き継がれた。アメコミは作画が変わることは珍しくないのでこのままで構わないと思います。

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ウォーキング・デッドのレビュー

点数別:
1件~ 2件を表示/全2 件

1点 asd5さん

キャラの描き分けができてない、説明台詞・冗長台詞のオンパレード(これは翻訳のせい?)。
話自体はまあ面白く、ヘタでもないんですが、向こうの漫画界は技術が浸透してないんですかね。
日本では少なくともメジャー誌には載らないレベルです。
日本の漫画レベルの高さを再認識させられました。

ただ一枚絵はうまいです。特に巻末のカラー絵には印象深いものがあった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-04-07 13:34:21] [修正:2012-04-07 13:34:21] [このレビューのURL]

8点 booさん

本場ゾンビコミックの傑作。
翻訳者のツイッターによると2巻がどうやら決定した模様。やったぜ!

冒頭でゾンビコミックの傑作と書いたが、よくよく考えると恐らくこの作品とアイ・アム・ヒーローくらいしか漫画でゾンビものを読んだことがない。ACONYみたいな変化球は除いて。
そもそも私はゾンビ系のジャンル自体あまりおもしろいと感じるものがなくて、唯一の例外がアイ・アム・レジェンドだった。もちろん映画ではなく小説の方だけど。
そしてアイ・アム・レジェンドとはまた違ったベクトルでゾンビものの私的金字塔となりそうな作品が、このウォーキング・デッド!

主人公のリックは警察官。ある日脱獄囚との銃撃戦でリックは撃たれ、意識は断ち切れた。病院で目覚めたリックは異変に気付く。周りに人が見当たらないのだ。誰かいないかと探していると、ゾンビと化した死体に出くわし、世界が永遠に変わってしまったことに気付かされる。
家族と何とか合流できたリックであったが、もはや政府や通信網は機能していない。緩慢な動きではあるがゾンビに噛まれるとその者もまたゾンビとなってしまう恐怖に脅え、人が増えるごとに人間関係は煩雑になる。国も希望もない中で、人間はどのように生きていくのか…。

スタンダードなゾンビ映画の面白みって何だろう。門外漢の私はあまり分からないが、それがホラー的なものであるならばウォーキング・デッドとは異質と言える。この作品においてゾンビはもちろん大量に登場するし、どこから現れるか分からない彼らは確かに恐ろしい。でも肝はそこではない。
ウォーキング・デッドの良さというのは良質なヒューマンドラマに通ずるものがあるように思う。それは人間を描くのが、そして何より人間関係を描くのが上手ということだ。

法や国という縛りはなくなり、人間の多くが死に絶えた世界。こんな世界でも彼らは食べなければいけないし、子育てもしなければいけない。日々の生活を営む中で人とのつながりはなくならない。
そんな極限状態にある人間達をカークマンはたまらないほど巧みに描く。人は死に、時に狂う。かつてのしがらみが消えてしまったからこそ、人の素顔はさらけ出される。
すっごく刺激的。あくまで読み物とはいえリック達には失礼かもしれない。でも本当におもしろい。

1巻において彼らはコロニーを作り、少しずつ人を増やしながら安息の地を探す。何が正しいのか?、どうすればいい?、こんな絶望的な世の中でリックはそれでも尚全力で知恵を尽くし、行動する。もはや正しい道なんてないのかもしれない。それでも生き延びたいなら戦うしかないのだ。
しかし乗り切っても乗り切っても問題はなくならないんじゃないか?と思う方もご安心、これは終わらないゾンビ映画なのだから。著者はゾンビ映画の弱点はエンディングにあると言う、その後に何が起こるのか知りたいと。だからこそこのウォーキング・デッドはリックの一生を描く年代記になるらしい。成功すれば最高の試みだろう。

現在ウォーキング・デッドはアメリカで14章が刊行されており、この日本版ウォーキング・デッド1巻には3章分がまとめて収録されている。インタビューによると90号まで書かれているが、200号までの構想はあるということ。長いよ笑。とはいえ終わらないゾンビ映画、カークマン流終末の叙事詩なのだから仕方ない。でもこの質が保たれるならばこんなに嬉しいことはないし、さらに上だってあるかもしれない。
あんまり長くなると、邦訳で全て見れるか不安になるのは事実なのだけど、こんなに刺激的で濃密なコミックというのはゾンビに限らずなかなかあるものじゃない。一度読むと目が離せない緊張感、そして数少ない緩和にほっと一息ついてもすぐにそれは破られる。たまらない。

来年の2月からは日本でもドラマのレンタルが開始され、恐らく春にはコミックの2巻が発売される。
ウォーキング・デッドの(ミニ)旋風が巻き起こってますよ! たくさんの人が読めば最後まで邦訳も続く、これは確か。この値段でこの質と量ならかなりのお買い得です。ぜひぜひおすすめ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-11-06 01:49:02] [修正:2011-11-08 00:47:05] [このレビューのURL]


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