「sonority」さんのページ

総レビュー数: 2レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年06月14日

かれこれ、何年前でしょうか。大河原遁氏が、一時期ジャンプに書いた作品にのめり込んだのは。
その作品は十週打ち切りという散り方をしたのですが、この作品はどうやら成功をしている様で、本当に嬉しく思います。
主人公はスーツの本場、ナポリに住む日本人。彼は職人の中でも認められた者にしか与えられない称号、「サルト・フィニート」を与えられた師匠を持っていました。そして、現地の人間ですら感服する腕前を持ち、スーツで人助けをする……といったお話です。
普段身近なスーツが実は、といった「トリビア」的な快感もあります。絵柄も柔和で、上手くはありませんが取り立てて下手という訳でもありません。バトルモノ以外読まない! という方以外には進められる作品では無いでしょうか。
得点は7。本来なら6.5とか中途半端にしたかったんですけど、無かったので四捨五入です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-10-26 16:32:07] [修正:2005-10-26 16:32:07] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

バイト代が入り、なんかまんがでも買ってみるかと、なんとなく取ってみた本。そういう本はいくらでもあるが、これほど大きな当たりは無かったと思う。
自分自身が小説を書く事を趣味にしているため、そういう影響もあったかも知れない。だけど、創作活動をしてない友人たちにも充分進められる作品だと思ったのは、まず第一に「人生教訓」だ。最近の子供たちには嫌われる「熱くてクサイ」作品である本作は、あちこちに人生教訓をちりばめ、主人公である高校生二人に経験という形で読者に叩きつける形をとっている。見てて痛々しい、幸せになって欲しい。そのハズなのにもっと傷ついて欲しいと思う、そういうジレンマに陥るのだ。
特筆したいのは、作者が女性であるという点だ。
男女差別をするわけではないのだが(この時点で差別をしているとか言うのは置いておいて)、女性というのはこれほどまでに強いものを持っているのだ、と本当にびっくりした。まるで教育的指導という形で竹刀で打たれたかの様に衝撃が訪れるメッセージ性。女性というカテゴライズは、もはや無意味になっているのだろう。
得点は8点。やはり「熱くてクサイ」故にその分読者は減るからだ。「読者を選ぼう」なんて、本人は考えてないだろうが。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-06-14 23:02:37] [修正:2005-06-14 23:02:37] [このレビューのURL]