「bavaroi」さんのページ

総レビュー数: 3レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年08月18日

個人的には漫画史に残る傑作だと思う。
なにしろ描かれている世界の説得力がものすごい。
よくあれほど壮大な世界を構築したものだと思う。
現在の生活とはかけ離れた世界であるにもかかわらず、
その世界の恐ろしさが身に迫ってくる。

各登場人物も非常に魅力的。
映画版では割と単純な悪役に仕立てられていたクシャナが、
悲しい運命を背負った聡明な王女として描かれていて
私は彼女が大好きになった。
ほかの方が書いておられるように、ナウシカは確かに
ちょっときれいすぎるキャラクターな気がするが、
その分周囲の人物が人間的に見えて、
バランスとしては良かったと思う。

映画版しかご覧になっていない方々にはおすすめの一作。

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[投稿:2009-08-18 17:24:45] [修正:2009-08-18 17:27:55] [このレビューのURL]

6点 PLUTO

浦沢作品にしては珍しくコンパクトに終わる作品のようだったのでかなり期待していたのだが、やっぱり浦沢作品は中盤までだった。途中まではものすごく面白かっただけに残念でならない。

伏線の張り方やストーリー展開がうまくても、終わらせられないのなら価値も半減だ。心に残る作品とまではいかなかった。

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[投稿:2009-08-18 14:38:07] [修正:2009-08-18 14:38:07] [このレビューのURL]

浦沢さんの癖として、本筋をストップさせている間に新たな主人公なりテーマを投入して読者の興味を持続させることに一旦は成功するが、結果終盤に入ってそれらの寄り道が肝心の本筋の解決を阻害してしまい、話が回収しきれずに終わってしまうというのがあると思う。
序盤は、浦沢さんのこの作品に入れ込むパワーが伝わってきた。徐々に「ともだち」の勢力が広がっていくあたり、今の社会ともリンクするところがあってぞっとするリアリティもあった。が、中盤以降はさすがに一般市民はそこまでバカじゃないだろうというくらいお話が荒唐無稽な方向に広がりすぎてしまった。無駄なく展開させて話をリアリティのあるサイズで終わらせるなら、10巻くらいが限界だった気がする。
キャラクターのなかでは個人的にオッチョが好きだったのだけど、数々の修羅場をくぐりぬけてきた一見強いけれど優しいオッチョをわりと簡単に泣かせてしまったりとか非常にもったいない。オッチョが泣くならそれなりのクライマックスを用意してほしかった。
ケンヂも、登場を引っ張りに引っ張った末に、歌で何もかも解決はさすがにひどいだろう。私には彼が救世主のようにはどうしても見えなかった。オッチョやカンナ、ヨシツネらのほうがよほど頑張っていたではないか。
せっかくこんな風にキャラクターの魅力に入れ込めるところまで中盤持ってきてくれたのに、本当に残念だ。

浦沢さん、次は話の幹から絶対に逃げずに、最後まで描ききってください。

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[投稿:2009-08-18 14:33:35] [修正:2009-08-18 14:33:35] [このレビューのURL]

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