「indigolite」さんのページ

総レビュー数: 3レビュー(全て表示) 最終投稿: 2017年01月04日

[ネタバレあり]

先日8巻が出ました。
これだけタラレバ言ってるアラサー女性に対する説教をかますからには、
ラストは主人公がさぞやかっこいい女性になって終わるのだろう…と思っていましたが、
説教どころか早坂さんと付き合う→keyと関係を持つというクソみたいな展開をかましてくれました。
ここまでやってしまったらもはや最後がどうなろうと汚名返上は難しいです。

登場人物も全員本当に頭が悪く、不倫も浮気も当たり前、
初期のkeyは多少まともだと思っていましたが、
過去が明らかになり始めてから頭の悪い気持ち悪いキャラに成り下がってしまいました。
まだ「海月姫」の方がキャラクターは魅力的だと思います。

東村アキコ作品は「ひまわりっ」で知ってファンになりコミックスは全部集め、
それ以降の連載も雑誌・コミックスで全て追いかけています。
「東京タラレバ娘」というより東村アキコのレビューみたいになってしまいますが、
この作者はとにかくミーハー、熱しやすく冷めやすい性格のようで、
ストーリーものを始めても数年で作品を描くのに飽きるのか話が崩壊してしまいます。
初連載作品?の「きせかえユカちゃん」も未だに放置状態。
作品をきちんと進めて終わらせるのがとにかくヘタクソです。

初期の短編集のような一話完結ものや、
「ママはテンパリスト」「かくかくしかじか」など
人の特徴を面白おかしく捉えてそれをギャグ漫画として描くのは得意なので、
実在する人物や事実を元に描いた作品は割と面白く読めるのですが
(「ひまわりっ」の父・健一でその手法に成功して、この路線を見出したように思います)、
それ以外のストーリーもの…特に「海月姫」そしてこの「東京タラレバ娘」は
最初の設定こそ面白く出だしは好調なのに、
連載を数年続けるに従って作者が飽きたのか何なのか失速してしまいました。
作者がやってて楽しいのか編集からの引き延ばし指示なのかわかりませんが、
話が停滞してくると脇キャラのギャグ回が増えてそれがメインみたいになってくるのも特徴です。
「ひまわりっ」「主に泣いています」などは週刊誌掲載という事もあり、
まだ一話完結的な側面も持っていたので失速しながらも何とか終わらせる事ができましたが、
「海月姫」と「東京タラレバ娘」はもうグダグダです。
途中まで見えていた着地点も見失ってしまいました。

「漫勉」などでの作画環境を見ていても思いましたが、
その場のノリ、その時好きなもの、その時のアシスタントなどが作品にものすごく影響しています。
恐らく勢いだけで漫画を描いているのではないかと思います。

今までの実績で、作品をまとめ上げる力がないというか、
短編以外の作品をきちんと終わらせる事ができないのはそろそろわかってきたと思うので、
まずは話の大筋とオチをどうするかだけでも予め決めてから連載を始めて欲しいです。
「雪花の虎」は初の歴史もので、一応史実に沿って描けば脱線はしないはずですが、
作品を読むとわかる通りニワカで確かな知識に基づいているわけでもないので、
今の内に最後まで話の大筋だけでも作っておいて欲しいと祈るばかりです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-04-19 16:19:39] [修正:2017-04-19 16:19:39] [このレビューのURL]