「船長」さんのページ

総レビュー数: 2レビュー(全て表示) 最終投稿: 2006年11月08日

ギャグ漫画そのものな画風で描かれる、ドラマティック競馬漫画。
その画風は馬の表情をとんでもなく豊かに出来るという点で、
リアルタッチには出せない味が確実にあります。
まぁなんたって馬が喋る上に、レースも馬視点が主ですから。

物語の骨組みは、細かいネタバレは避けますが
『明日のジョー』へのオマージュ的な部分が強く出ていて、
それ関連の意識的な小ネタも用意されていたり。

シリアスなレースシーンでも観客は何故か全員全裸のゲーハーだったりと、
独特の世界観はこの作者ならでは。

一人一人(馬)の設定をとにかく大事にしているので、
少々クセが強いですが笑いあり涙ありの熱い競馬漫画になっています。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-11-12 22:15:10] [修正:2006-11-12 22:15:10] [このレビューのURL]

諸作品で魅せた構成力、表現力などの純粋に高い漫画力に更に磨きがかかり、
さらに個人的に興味深い設定な事もあって始まりの数コマで感情移入出来ました。

作者の絶望的なファッションセンスは・・・同じ歴史物のヘウレーカしかり、
当時の衣装や髪型にダサいも古いもイモいもないので、その辺りはある意味弱点が
打ち消されていると言えるかも。

淡々としながらもテンポは良く、練り込まれた起伏に富んだ展開や繊細な人物描写、
丁寧な時代検証に加え今や御家芸の残酷描写も作品の性質上頻繁に顔を覘かせたり。

個人的に何よりもスバラシイと思ったのは、主人公エウメネスの精神的タフさ・思慮深さと
好奇心旺盛さが、ともすれば絶望的に暗い淵に落ち込みかねない物語から読者を救っている
という点でしょうか。

スローペースなのが残念ですが是非とも完成を見届けたい作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-11-08 14:22:15] [修正:2006-11-08 14:22:15] [このレビューのURL]

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