「ganngann」さんのページ

今でこそ様々な仕事の「プロフェッショナル」が漫画の中で活躍しているが、リアルなプロを描いた作品として今作こそ記念碑的作品ではなかったか。

とにかく、手術描写がわかりやすくてスゴイ。
魔法じみたインチキや精神論にとどまらず、難手術の難しさやその解法が論理的に展開されるため、医療の知識なんて無くても主人公のスーパーさが余す所無く満喫できる。

キャラクターも主人公をはじめとして個性際立つ。
各ジャンルの医療のスペシャリストが続々登場、医療対決や共同作戦など、非戦闘ジャンルながらも確かに少年漫画のエッセンスが存分に詰まっていて、とにかく燃える。

そしてストーリー。
医者漫画でよく見る皮肉っぽさが今作には無く、直球での熱さ、医者たちの命への真摯さがひしひしと伝わってくる。
こういう医者たちの患者に私はなりたいし、若き医者がバイブルとするなら間違いなく本作と思います。

作品中盤の脂の乗り切った時期の神がかったネタの嵐、宇宙での手術から診療所の人情話まで、良くぞこれだけの引き出しを同じ作品に持ちえたものと思う。

絵柄の地味さで敬遠してる人も多いと思うが、これは読んでほしい。
基本的にこういう地味に巻数を重ねている本は、穴場ですよ。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-11-29 18:06:40] [修正:2005-11-29 18:06:40]