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 この作品は福本伸行の真骨頂として捉え得る作品であろう。
 無頼伝涯などの過去作でも示されたとおり、どうやら福本氏は、心理的戦略的駆け引き自体を描くというよりは、苦難(黒沢の場合は孤独感や人望、将来の無さ等)の中で、主人公が立ち上がりある種のカリスマ性を獲得していき、強大な敵を打倒するということを描きたいようだ。言い換えれば一種の階級闘争である。
 故に本作品は福本的階級闘争を最もよく描ききった作品といえる。途中で打ち切りになってしまったのは至極残念である。

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[投稿:2010-06-21 04:36:11] [修正:2010-06-21 04:36:11]

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