「megalomania」さんのページ

[ネタバレあり]

 作者の話1つ1つを巧みにつなげていく作者の才能。そして、それが一気に作品全体でつながる最終決戦は本当に鳥肌ものです。話1つ1つにも泣けるし、読み進めば進むほど、つまりうしおととらの世界について知れば知るほどのめりこんでいき、最後は作品全体に感動します。最後のとらの一言は心にずっしりとひびきました。
 僕なりに捉えた作品全体としてのこの漫画の主張は、苦難を打ち破るには人との絆(あるいは友情、信頼)が重要であるということだと思うのです。それを最も効果的に伝えるために、ものすごい数の伏線が用意され、あの最終決戦があるのだと思います。これは現実においても重要なことではないでしょうか。他にも現実で大事にしたいような主張がこの漫画には数多くあります。
 また登場するどのキャラクターも魅力的です。命が吹き込まれています。具体的には敵にも魅力を持たせることに成功しているのがこの漫画の長所であるとおもいます。勧善懲悪ではなく、敵にも悪になる理由づけがあり、うしおたちとの戦いによって、その敵が改心する。すると、物凄くその敵に感情移入してしまうのです。(時にそういう場面で涙も出ます)
 すばらしい漫画です。すくなくとも、僕自身はこの漫画のすべてがプラスになりました。きっとみなさんも読みおえた後うしおたちと一緒に成長した自分に気づいていることでしょう。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2006-05-14 20:39:05] [修正:2006-06-18 20:12:02]