「バラハ」さんのページ

登山に生涯をかけた男、羽生丈二と、数奇な運命により彼を追うことになったジャーナリストの物語。
有名な登山家であり作中におけるキーパーソンでもある「ジョージ・マロリー」はインタビューでなぜ山(エベレスト)に登るのかと問われ「そこに山があるから」と答えている。非常に有名な言葉である。
それに対し作中に羽生丈二は「そこに山があるから登るのではない。俺が俺であるために山に挑みつづけるのだ」と言っている。鳥肌が立った。
圧倒的な迫力で描かれる登山の様子。まるでそこに自分がいるかのような錯覚に陥る鬼気迫る描写。
ヒトは究極の孤独と極限状態の中、何を見るのか。
なぜ自分をそこまで追い詰めるのか。
登山の知識など無くても十分引き込まれます。
かなりの名作だと思います。

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[投稿:2007-01-12 17:01:15] [修正:2007-01-12 17:01:15]