「nori」さんのページ

[ネタバレあり]

研修医である斉藤が現在の日本医療の現実と自分の理想の
ギャップに苦しみながら成長していく(してないかも;´Д`)話
編ごとの締め方が非常にうまい。
編の最後に見開き1ページまるごと使ってるんだけど
いつもそこで一気に感動させられる。

その中でも一番光ってるのがベビーER編。
障害児の父となった父親の苦悩と心の変化がリアルに書かれていて感情移入できる。
「会ったら…お別れを言わなきゃいけないじゃないか…」
この父親の台詞に子供を誰よりも愛しているのに、子供の命を認めようとしない葛藤が現れている。
ここのシーンを読んだ後しばらく切ない余韻が残った。
そしてこの編の締めも何回か出てきていた「夕日」を上手くつかって見事に締めている。

難点を言えば主人公に感情移入しにくい。
斉藤は理想を絶対に曲げようとせず、あまりにも不器用。
自分の理想を他人にも押しつけようとして正義のつもりがエゴになっている。
主人公が日本の医療の問題点を強調するためと物語の進行役をするためだけに存在している気がする。

それでも各編独自のキャラクターとドラマが素晴らしいので十分魅力的な漫画になっている。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-03-30 05:04:23] [修正:2005-03-30 05:04:23]