ホーム > 青年漫画 > 週刊ヤングマガジン > RED

RED


7.47点(レビュー数:21人)

作者村枝賢一

巻数19巻 (完結)

連載誌週刊ヤングマガジン:1999年~ / 講談社

更新時刻 2009-11-25 06:26:40

あらすじ 一族を殺されたインディアン「レッド」復讐のために「ブルー小隊」を追うインディアンと、彼を取り巻く仲間たちはどうなっていくのか・・。南北戦争が終結した頃のアメリカが舞台の大西部劇!

備考 「ヤングマガジンアッパーズ」で1998年から連載開始。人気の高い作品であったため、「アッパーズ」が休刊となったあと「ヤングマガジン」に連載が引き継がれた。

シェア
Check

REDのレビュー

点数別:
11件~ 15件を表示/全21 件

10点 Sealさん

西部開拓時代のアメリカを舞台とした復讐劇。
復讐劇に不可欠なのは、ベルセルクやダイモンズしかり「主人公が受けた絶望と怒りの深さ」と「敵役の存在感」でしょう。
その点でこの作品は、部族が皆殺しにあった主人公の絶望と怒りは凄まじく、また敵のブルーはその狂気とカリスマ性で圧倒的な存在感を放っており復讐劇としては完璧だろう。

主人公の復讐の旅を彩るキャラクター達にもそれぞれの物語があり、それぞれの因縁や贖罪を抱えている。
主人公を含めた全てのキャラの物語が集約して完結する最後の闘いはまさに怒涛の展開だった。
読んでいて完全に引き込まれていた。
友情や平穏を捨て復讐に生きた主人公に救いはあったのだろうか?
読者としてはラストで救われた気がした。あれは何回読んでも涙の出る。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-09-18 17:18:10] [修正:2008-09-18 17:18:10] [このレビューのURL]

9点 デスぺラードさん

いやあ…大傑作ですね。
迫力のあるアクションシーン・スプラッタシーン。
疾走感のあるストーリー。
キャラクター達が非常に個性豊かで格好いい。
誰一人として無駄なキャラがいない。
全てにおいて高水準。
娯楽漫画としてはほぼ完璧といっていい出来です。

しかし、この漫画をただの「傑作」から「大傑作」まで昇華させているのは上記の理由だけではありません。
まず、当時のアメリカのフランクな空気感が非常に良く感じられる点。
漫画において舞台背景の空気感を読者に匂わせるのは非常に難しい。

そして、この漫画の「表」のテーマであるREDの復讐劇。
容赦の無いスプラッタ描写を惜しげもなく見せてきます。
復讐の凄まじさは否が応にも伝わってきます。
また、キャラに厚みを持たせるための脇役達のサブストーリー。
さらに、「裏」のテーマである「人種差別問題」。

これらの何本ものストーリーを19巻でキッチリ纏め上げた構成力には脱帽。
作者がキッチリと前を向いて描いているので、本来のストーリーから軸がぶれてないんですね。

しかし、非常に重い「裏」のテーマを設けたためにこういう娯楽性の高い作品を見る際において本来気にならないはずである点の
「暴力の是非」「復讐の是非」が気になってしまったのが残念でした。

そのためにREDが復讐という凶行に走ってしまった理由付けやサブキャラたちが人殺しに手を染める理由付けが少々希薄に感じました。

9点献上!!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-09-17 19:45:57] [修正:2008-09-17 19:48:34] [このレビューのURL]

8点 そうすけさん

熱く、暗い漫画。この人の描く絵からは人物の「感情」を感じる。
「復讐」がテーマの作品としては傑作。時代の流れと絡めた人物設定も見事。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-09-11 18:02:16] [修正:2011-05-26 05:22:38] [このレビューのURL]

9点 booさん

日本ではあまり見られない西部劇(当たり前か…)、復讐譚。ロードムービー的な側面もあるので恐らくアメリカの西部劇なんかに影響を受けたんだろう。そこはかとなく洋画っぽさを感じる作品だ。

村枝賢一入魂の一作というのに相応しい。憎悪、愛、虚無感、嫉妬、友情、様々な感情が読む人の心を抉らずにはいられない。
魅力的なキャラクターがそのハードな物語を中和して、かなり読みやすくしてくれる部分もあるだろう。レッド、イエロー、ホワイト、ゴールド、グレイ、そしてブルー。読んでいて思うのは彼らには確かな色があったということ。レッドが主人公と言えど、それに塗りつぶされることのない一級品の群像劇に仕上がっている。

REDの白眉は復讐劇に村枝賢一なりの答えが示されていることだ。
復讐のために殺した。これは全く同じ論理、正当性で復讐者に跳ね返ってくる。だからこそ途中でオーエンやその妻の話が挟まれ、結果ブルーとのたった32ページに凝縮されたあの戦いがある。復讐者は幸せになり得ない、これを村枝賢一、そして誰よりもレッド自身が知っていた…。

もちろんこれは唯一の回答ではなくて、村枝賢一の答え。
イーストウッドの”許されざる者”と比べてみるとよりおもしろい。あれは許されない罪を犯したものがそれでも生きるなら…という作品なんだけど、極端に言うと開き直って生きるか世を捨てるかのどちらかしかないと示唆している。朝がまたくるからの孝なんて明らかに後者。インディアンを大量殺戮したアメリカは、クリーブランドはどちらを選んだのか…言うまでもないですね。それにしてもイーストウッドかっけぇ!

こういう硬派というか作者の美学を感じさせる作品が私は映画や漫画を問わず大好きだ。漫画では珍しいだけにREDに出会えて本当に良かった。

1つ文句を言いたいのはネイティブ・アメリカンの虐殺問題の扱い方。日本では馴染みのない問題なので取り上げたこと自体はすばらしい。世界史の教師はフロンティアが消えた年代は覚えさせてもその裏に潜む意味を教えはしない。
しかしそれならブルー小隊が凶悪ゆえに彼らを虐殺したなんて捉えられかねない書き方をすべきではなかった。この先住民族の95%が白人に虐殺されている。オーエンのような普通の人が当たり前のように殺し、奴隷扱いしていた時代であったこと、ここにもっとスポットを当てて欲しかった。

そういう意味ではブルー小隊が凶悪である必要はなく、レッドがブルー小隊の面々を殺した理由がその凶悪さでごまかされているのは村枝賢一の甘さが出たと思う。誤解を恐れず言うなら、レッドは善良な普通の人であるオーエンをこそ、スタージェスをこそ殺すべきだった。ブルー小隊が凶悪だから殺すのではなくてあくまで復讐のために殺すのだから。
ブルー小隊が基本的に凶悪な上にあちらから襲い掛かってくるもんだから勧善懲悪、正当防衛に見えかねないんだよなぁ。仇を殺した時に当たり前というかすかっとしてしまう所は大きくマイナスだし、レッドの罪をもっと強調しないと話の筋が通りにくい。ここさえなければ本当に大傑作と言えるのだけど。

点数の1点減とレビューの修正
途中脇道にそれた面があるように感じたのと上に述べた部分で1点減。群像劇ゆえに難しいだろうが、もう少し纏まっていたら間違いなく10点だった。ついでに最初書いたのがかなり前だったので書き直し。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-05-03 10:47:57] [修正:2011-09-03 03:57:33] [このレビューのURL]

7点 Suzzさん

壮大な復讐劇。
個人的にはこの作者の熱く、狂おしいまでの表情の描写にはこの作品の雰囲気が一番マッチしていると思う。
後半部分の展開が若干不満なものの、熱さは感じたので良しとすることにする。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-02-20 17:06:19] [修正:2008-02-20 17:06:19] [このレビューのURL]

PR


REDと同じ作者の漫画

村枝賢一の情報をもっと見る

同年代の漫画

週刊ヤングマガジンの情報をもっと見る