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7.5点(レビュー数:6人)

作者ジョージ朝倉

巻数17巻 (完結)

連載誌別冊フレンド:2004年~ / 講談社

更新時刻 2009-11-25 06:39:08

あらすじ 小6の夏芽が越してきたのは、東京とあまりに違う田舎の町。そこで出会った1人の少年に、夏芽は自分の中の「何か」が、大きくうねるのを感じて…。

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この漫画のレビュー

8点 とろっちさん

「ナイフ」=「十代の自意識」。
ナイフのように剥き出しになった自意識を持て余し、溺れるがごとくに足掻き、彷徨い、
周囲を傷つけ、自らを傷つけながらも、少しずつ成長していく少年少女を描いた作品。

中学生にして早くも「人生のピークを過ぎた」と感じ、自分もかつて持っていた(と自覚している)
「キラキラと光り輝く光源」に本能的に惹かれ、追い求める夏芽。
そんな夏芽の剥き出しの感情が本の外まで飛び出すがごとく、読んでいて激しくぶつかってきます。

正直、三十路のオッサンが読むような漫画ではないかもしれませんが、
この作品の良さや凄さは十分に伝わってきました。
絵だって特段上手くないですし、ストーリー展開も他の少女漫画と変わり映えしないように思えるものの、
作品から伝わってくる空気が違う。 パワーが違う。 生々しさが違う。
夜の山、夏祭り、篝火などという小道具の使い方も上手く、神々しさを高めるのに一役買っています。、
触れれば切れるようなギラギラした危うさをこれほどまでに表現できているのは本当にお見事。

クセがあって異彩を放つ作品のため、万人向けとは必ずしも言い難いですが、
ハマる人はとことんハマるのではないでしょうか。
溺れるような年代を瑞々しく描いた、熱情がほとばしる渾身の作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-06-29 01:26:32] [修正:2011-06-29 01:26:32]

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