この漫画のレビュー
9点 臼井健士さん
スーパージャンプ連載の美術品を題材とした漫画。
簡単に言うと細野先生の「ギャラリーフェイク」をもっと劇画調にし、主人公を藤田よりも「超人の域」まで高めた作品。
古今東西のすでに失われてしまった人類史上の遺産の数々である美術品を
「製作者本人になりきる事」で完璧に再現する奇跡の腕を持つ男・通称ゼロ。
そして綴られる古今東西のあらゆる美術品にまつわるエピソードの数々。
本物を再現する(ゼロの製作するものは偽物ではなく、もうひとつの本物なのだ)報酬として、依頼者に「全財産」もしくは「人生の全て」を要求するゼロの姿は手塚先生の「ブラック・ジャック」にも通じる孤高・唯我独尊の境地。
もうすでにコミックスが通算して60巻を超えているというのに話のレヴェルに全く衰えは見られない。
今日も孤高の男・ゼロは世界を股にかける・・・・。
彼の通った跡には、人類史上の遺産が鮮やかに現代に甦った奇跡の目撃者たちの驚嘆と感謝の声が
木霊(こだま)のように鳴り響くのである。
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[投稿:2010-11-18 23:53:49] [修正:2010-11-18 23:53:49]