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6.11点(レビュー数:35人)

作者森恒二

巻数18巻 (完結)

連載誌ヤングアニマル:2000年~ / 白泉社

更新時刻 2010-03-10 19:21:31

あらすじ “どうしても強くなりたい 僕の居場所(ホーリーランド)を守る為に――”

いじめられっ子だった普通の少年、神代ユウは、
街で自分の居場所を確保するためにケンカの腕を挙げていくのであったが、次第に彼は大きな抗争へと飲み込まれていくのであった。

備考 2005年石垣佑磨主演により実写ドラマ化された。

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この漫画のレビュー

6点 イケメンさん

全巻読み終わったところで忘れないうちにレビュー。

まあまあ楽しめる良作。
何といってもこの漫画の醍醐味は説得力のある格闘描写に尽きる。
なるほど、と思わせてしまうのはさすが。
作者の森先生は十代の頃、喧嘩をよくしていた経験があるらしく、それが生かされているのだろう。

名作というほどではないが、駄作でもない。佳作。

文句をつけるならば、まずはやはり格闘中の野暮ったい解説。
作者も最終巻の巻末で、それを「自らの漫画技術の不足をカバーするための荒技」と称しているが、その通り、荒技。
自然な流れで解説して欲しかった。
それがむずかしいならせめてキャラクタに喋らせるとか…(ほとんどの戦闘にマサキや土屋が立ち会っていたのに…)。
色々言われていますが、唐突に出てくる作者の経験談みたいなものは僕は楽しめました。
森先生は割と自己顕示欲の強い方なんだろうな、とは思いますが(笑)
(巻末の作者メッセージとか見ても)

それから、ストーリー。
神代の内面やマサキの苦悩、彼らの友情や居場所(ホーリーランド)についての描写が若干うっとうしかった。
僕はこの作品の魅力は、この作家にしかできないであろう格闘描写だと思っているから、ストーリーの陳腐さというか安っぽさは邪魔にしか思えなかった。
作者なりに、格闘以外に描きたいことや伝えたいことがあったのだろうが、そちらのほうは、はっきり言ってしまうと自己満足の類にしか見えなかった。他人の日記を読まされているような寒々しさ。
面白い格闘描写と釣り合っていない。
特に神代がおかしくなるパターンが多く、「またかよ」とため息が出てしまった。
いじめられっ子で気弱なひきこもりだった主人公が喧嘩狂になるという展開は面白くはあるのだけれど、あまりにくどいと興ざめ。
読者は主人公の目線で漫画を読むから、主人公がいかれてしまうと、地に足がつかない不安定な状態で読み進めなければならず、よくない。
もっと違う持って行き方があったでしょう。
特に神代の内面に関する描写についてメリハリが欲しかった。

話の流れとか筋立てもちょっと下手くそ。
前述したような、作者のこの作品へのストーリーについてのこだわりが妨害してしまったのだろうか。話の筋はもっと王道でよかった。
キング戦も、あれでは盛り上がらない。
ラスボスであるキングをもっと強く見せてほしかったし、舞台も、戦争後の平和が戻った後では盛り上がりに欠ける。
ヒロインの使い方も下手くそ。
また、キャラクターに魅力がない。
唯一よかったのは強いていうなら土屋かな。ベタキャラだけど、この作品には合ってる気がする。


後半は散々悪く書きましたが、つまらない作品では断じてないです。
素直に楽しめる良作漫画。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-03-01 01:07:16] [修正:2012-03-01 01:07:16]

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