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4.5点(レビュー数:2人)

作者ちばてつや

巻数36巻 (完結)

連載誌ビッグコミック:1973年~ / 小学館

更新時刻 2009-11-25 06:40:12

あらすじ 九州の寂れた炭鉱町に、19歳の中学生がいた。名前を坂口松太郎。人並みはずれた大きな体と腕力で怖いものなし、どこへ行っても我が物顔。酒に酔って恋する美人教師・令子先生に狼藉を働き中学を退学させられ、仕事を探しに出た街中で、相撲取りといざこざを起こす。これが松太郎伝説の始まりだった……。

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この漫画のレビュー

7点 shunさん

個人的にかなり気に入っている作品の一つ。
画はあしたのジョー時代よりもかなり落ち着いた様子で、
今見ると古臭さはもちろんあるものの、味のある昭和の書き振り。
そして背景やモブの描写が素晴らしい。
世界観とよくあっている。

主人公のキャラクターはかなり破天荒で、レイプ未遂や土俵での無礼は
人によっては笑えないレベルかもしれない。
主人公としての魅力ははっきり言ってないが、珍獣が何をしでかすか、
どこまで行ってしまうのかを見守る展開になっている。
特に相棒の田中の立ち位置が絶妙で、主人公松太郎の観察者であり、
サポートキャラであり、ライバルキャラにも変貌する。
田中関連のエピソードには何度か泣かされた。

ストーリーははっきり言って退屈。
年間6場所をこなしている力士のバイオリズムは、練習→本場所→巡礼→練習→本場所と
特にそれ以外の起伏を作りにくいことと、作者の作風によって、終始落ち着いて展開していく。
怒涛の展開を求める人には退屈かもしれないが、定点観測しているような、
ベテラン漫画家の落ち着いた話運びに乗せられて、終盤まで見てしまえる。
もちろん昇進に関わる、優勝がかかった場所はきちんと盛り上がるし、
動きの描写もわかりやすく、とても読みやすい。

相撲ということと、ピークの終わった漫画家ということ、
浮き沈みの少ない作品ということで、あまり知れ渡っていないこの作品。
私は何度も読み返すスルメ漫画として、これからも度々読んでいこうと思える作品であった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-04-24 15:49:38] [修正:2016-07-25 11:55:37]

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