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7.33点(レビュー数:3人)

作者手塚治虫

巻数3巻 (完結)

連載誌ビッグコミック:1974年~ / 角川書店

更新時刻 2009-11-25 06:41:13

あらすじ 江戸が東京と名を変えた明治初頭、
北海道の自然の中で熾烈に展開する壮大な男のロマン

備考 平成7年に、同一出版社において文庫化された。

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シュマリのレビュー

点数別:
1件~ 3件を表示/全3 件

7点 gundam22vさん

北海道開拓史を題材に一人の男の人生を大河ドラマ的に描く作品。なかなか描かれないマイナーかつ死語になっている感もある日本の暗部たるアイヌ問題などを絡めつつ、現在に至っては希少性がさらに増す漫画。エンターテイメント要素も豊富で主人公シュマリのアクションも見どころ。主人公シュマリが偽悪家どころか本当に好き勝手やっていて悪事も行っているところも独自性があるかと(ブラックジャックは偽悪家みたいなもんなので)。

物語の部分、部分はキャラの心情がどうも分からない唐突さ、男女関係で縺れたり迷走しかかってるな感は感じながらも、逆に生々しさや先が読めない感を高めており、時代が変遷するにつれて立場が動いて重厚さを感じられる描写になって行ったと思います。だからこそ読み進めれば面白みが沸く作品であり、最後が特に綺麗に感動的に締められた部分も含めて手塚作品の中でも隠れた良作だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-04-14 23:33:08] [修正:2015-04-14 23:33:08] [このレビューのURL]

7点 columbo87さん

シュマリはハードボイルドで、どことなく西部劇を彷彿とさせるような物語だった。
ヒロインを追って広大な世界を放浪するシュマリ、作中の男女関係の描き方は今見てもちょっと無い感じ。男同士の戦いがあったり、女の強さがあったりと、アイヌと日本との関係性を描いていても政治的主張のいやらしさを感じない、どこまでも手塚治虫はエンターテイナーなのだと感じさせられる。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-08-09 15:57:19] [修正:2011-08-09 15:57:19] [このレビューのURL]

8点 まれらさん

[ネタバレあり]

実に壮大でロマンチックな話である。明治期の北海道という、野望と絶望と喧噪に満ちた舞台で、なぜもこんなに爽快で甘美な読後感の得られるストーリーが存在できるのか驚くほかない。
手塚作品においてブラックジャックや七色いんこなど、アウトローじみた人物を主役に据えることはままあるが、シュマリという男は本物のアウトローとして登場する。殺人犯であり、脱獄囚であり、反体制である。女性感情にはとんと興味がないようだし、酒癖も悪い。しかし嫌悪感を感じさせるわけでなく、ピカロとして描かれるわけでもない。窮屈な時代の枠には収まりきらないほどまっすぐで大きな人間として奔放に描かれるシュマリには、心底憧れる。
野火の場面、雪解けの場面、最終話でシュマリが遠ざかって俯瞰になっていくあたりなど、描写も映像的で非常に美しい。
子供向けではないためか知名度は今一つかもしれないが、手塚作品の中では一押し。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-12-08 23:37:30] [修正:2007-12-08 23:37:30] [このレビューのURL]


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