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6.27点(レビュー数:18人)

作者植芝理一

巻数12巻 (完結)

連載誌月刊アフタヌーン:2006年~ / 講談社

更新時刻 2009-11-25 06:40:20

あらすじ 普通の高校生である椿明が、クラスに転校してきた不思議な少女・卜部美琴と付き合う事から始まる恋愛漫画。

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この漫画のレビュー

8点 booさん

主人公、椿明のクラスに謎の転校生卜部美琴がやってきた。彼女は仲良くしようとするクラスメートを拒絶し、全く馴染もうとしない上に授業中に急に笑い出すなどの奇行もあってクラスから変人のレッテルを貼られていた。ある日放課後に居眠りしていた卜部を起こした椿は机に残された卜部のよだれをなめてしまう。その後原因不明の高熱を発して寝込んだ椿の家に訪ねてきた卜部は自分のよだれが原因の禁断症状であると説明し、自分のよだれをなめさせる。するとすぐに具合は良くなったものの動揺する椿に卜部は言い放った、「ただの、恋の病よ」。付き合うことになった2人はこれからどうなっていくのか…。

正直最初見たとき植芝理一は日和ったなと思った。 最大の特徴だった変態さは影をひそめ(一般的には十分変態的ではあるけど)、偏執的な書き込みも少ない。でもすいません、やっぱりおもしろいです。
よだれで感情が伝わるというのはディスコミの涙を飲む行為やよだれを交換する話が元ネタだろうか。そういうフェティシズムを感じさせる要素を散りばめつつもやってるのは純粋なラブコメ。うん、意外です。今までの色んな意味でごちゃごちゃしていた作風(褒め言葉ね)をあえてシンプルに、分かりやすくした作品に挑戦しているのかもしれない。絵も意識的にか夢使いの頃より素朴で野暮ったくなっている。
中学生の頃に誰しもが感じるように、女の子は男の子にとっていろんな意味で謎の存在だ。初めてお付き合いした女の子なんて宇宙人のように感じたのを覚えている。その気持ちをすごく拡大していったら卜部みたいな女の子になるのだろう。巻が進むにつれ少しずつ卜部の素顔は明らかになっていくが、どこまでいっても謎は残る。女の子だから。
この人のラブコメはやはり自分にはぴったりだ。今まで名作と呼ばれるラブコメですら大抵は気恥ずかしくて読めなかった私でも、謎の彼女Xはにやにやしながら楽しく読んでいる。だって猫耳つけてベーコン食べる女の子なんて可愛すぎるじゃないですか!!

ディスコミや夢使いに比べると私のお気に入り度は低いけどそれでも十分に楽しめる作品。読み手を激しく選ぶ他作品に比べて謎の彼女Xはまだ一般向けで薦めやすいし、植芝作品の入門書としては良いだろう。それでも限られた人しか好まなさそうではあるが、意外と定番のラブコメが苦手な人が読んでみるといいかもしれない。
何だかんだで植芝理一はおもしろいなぁ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-07-19 01:22:39] [修正:2011-08-01 02:02:28]

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