ホーム > 青年漫画 > ヤングアニマル > 愛人〔AI-REN〕

7.28点(レビュー数:7人)

作者田中ユタカ

巻数5巻 (完結)

連載誌ヤングアニマル:1999年~ / 白泉社

更新時刻 2009-11-25 06:41:04

あらすじ 舞台は荒廃した未来の地球。幼い頃の事故が原因で余命幾ばくもない少年、ヨシズミ・イクルは1人で暮らすことの寂しさから、近い将来死ぬ予定の人間の精神的ケアを行うための人造人間「愛人」の少女を手に入れる。彼はその「愛人」に「あい」と名づけた。そして徐々に惹かれあっていくイクルとあい。しかし、実は「愛人」にはあらかじめ寿命が設定されていたのだ。

死に行く運命にある2人。
果たして2人はどう生きていくのか。そして2人の運命やいかに!?

備考 2009年に愛蔵版(全2巻)が発売された。

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この漫画のレビュー

9点 ITSUKIさん

文明が崩壊し、「人類」そのものの寿命を迎えようとしている終末の世界。

そんな世界の中で余命幾許も無い少年・イクルが、人造遺伝子人間の「あい」と残り僅かの生涯を過ごす物語です。
文明の崩壊後の世界の日常、という事で「ヨコハマ買い出し紀行」を連想しましたが、描いている内容は全くの逆を行っていると思います。
この「愛人[AI-REN」」では終わりゆく世界とともに消滅していく二人を描いているからです。

イクルとあいは傍からみたらただのバカップルです。
作者の絵の雰囲気もあいまって見ていてほほえましい限りです。
あいみたいなこんな子いないよ!ってツッコミはこの作品には褒め言葉です。
しかし二人の時間は着実に終わりに向かっていきます。
ベタなんですが、演出がとても巧いのでひきこまれてしまいました。
とにかくページを贅沢に使っていて作者の全身全霊を込めた様が伝わってきました。

人造人間を作れるようになり生殖が必要なくなった結果「愛する事って何なのか」、また「人って何なのか」を考えさせられます。
この作品で伝えたい事なのでしょうけれど、自分はイクルとあいの物語だけでも十分面白かったですよ。
設定の凝り様などはあとがきを読むと凄いのが伝わってくるのですが、それを作中で100%伝え切れているかというとそうでもないかもしれないのが惜しい点。でも凝った設定が好きな方は作品世界にどっぷり入り込めると思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-02 00:26:50] [修正:2010-11-02 00:26:50]

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