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7.6点(レビュー数:30人)

作者手塚治虫

巻数5巻 (完結)

連載誌週刊文春:1983年~ / 文藝春秋社

更新時刻 2012-10-20 19:44:34

あらすじ 舞台は第二次世界大戦中の日本とドイツ。
ベルリンオリンピックの取材でドイツにきた新聞記者の峠草平に
ドイツで暮らしている弟から連絡がくるが、その直後に弟は殺害される。
そしてそれが弟がアドルフ・ヒットラーに
関する重大な情報を日本に送ったことが
原因であることを峠はつきとめる。
その秘密とはヒットラーにはユダヤの血が混じっているものであった。

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この漫画のレビュー

10点 臼井健士さん

後期手塚作品の大傑作。他の長編作品より短いが、メッセージ性の強い作品に仕上がっている。

ドイツの独裁者「アドルフ・ヒトラー」は実はユダヤ人だったという推論を採用し、同じ「アドルフ」の名を持つ2人の少年が辿った運命をさらに「第三者」の視点から語らせる。
ナチスの行った「ホロコースト」は断罪されねばならないと思うが、いかに「善良だった一少年」がそれに加担させられていくのかが分かる。誤った人間の謝った洗脳がいかに多くの悲劇を生み出したのか、いかに多くの犠牲と破壊を生み出したのか、これは虚構の世界の中ながら「現実に歴史として残っている事実」だと思う。

ヒトラーが現実にユダヤ人の血を引いていたという可能性は限りなくゼロに近いそうだが、別にヒトラーは近親相姦による出生だったという説があるそうだ。ヒトラーの兄弟は皆早死にし、戦後まで生き残った妹には障害があった。このことから、ヒトラー自身も近親相姦による影響があったのではないか・・・とする説だ。

ヒトラーはさて置いても、友情を引き裂かれた2人の「アドルフ」の姿が痛ましい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-25 07:46:25] [修正:2010-07-25 07:46:25]

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