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4.5点(レビュー数:6人)

作者三部けい

巻数4巻 (完結)

連載誌ヤングガンガン:2008年~ / スクウェア・エニックス

更新時刻 2009-11-25 00:44:53

あらすじ 家庭に問題のある子供達を引き取る施設『鬼燈学園』。そこには、知ってはならない『秘密』がある――。“登ってはいけない階段”。“書き殴られた悲痛の叫び”。“白いワンピースの少女”。そして“嘘が得意な大人達”。自然豊かで優雅な離島が、虚偽と欺瞞で血に染まる…。

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この漫画のレビュー

7点 ジブリ好き!さん

家庭に問題がある児童を預かる鬼燈学園。
そこは絶海の孤島の古い施設。
そこは虚偽と欺瞞を誘う、子供達の監獄だった…

たまたま本屋で見つけて、中身見たら画が好みだったので衝動買い。
そしたらジャンルが「サバイバル・ホラー」の「脱出もの」と自分の趣味ど真ん中だったので嬉しかった。
けど読む前にこのサイトの評価見ると、低くて萎えて。
そんなわけであまり期待せずに読みましたが…

十分面白かった!

画はとてもきれい。
作者はアダルト漫画家なので、女性キャラはらしい感じで描かれる。けどあくまで読者サービスの域を出ていないし、作中に直接的なシーンはないので安心。
また、人物画だけでなく、古ぼけた建物や自然も上手い。セミの鳴き声をしっかり書きこむのも雰囲気が出て良かった。

目の見えない妹と、そんな妹を全力で守ろうとする主人公の兄妹はけなげで好感がもてる。

伏線もわかりやすく、しっかり回収しきっている。この手のジャンルにありがちなごまかしがほとんどなく、初期段階で結末をきちんと考えて作っていたことがわかる。
いちいち地図を付けてくれるのも良い。脱出ものは地図がないのが多くて困っていたから。

ただ、やはりこの手のジャンルの評価は全てオチ次第とも言える。
正直漫画や映画のこの手のジャンルで、小説並みの完成度の高い作品はほとんどないので、ある程度の妥協が必要かも。
個人的には、オチは「矛盾なく無理なくまとめる」か「ミステリー要素に重点を置く」のどちらかならば高評価。この作品は前者で、後者は例えば「いばらの王」などだ。
確かにこの作品、オチのインパクトは弱く、序盤の惹きつけが素晴らしいだけに肩透かしなのもわかる(個人的にはラスト直前までは楽しめた)。
けどまぁほとんど破綻もなく、下をみれば「Doubt」なんて作品もあるわけで。
夢オチとは全く違う。ハッピーエンドというよりも…一発ネタかな。

過度な期待をしなければ十分良作、なによりこのジャンルでしっかり仕上げてくれたことが評価できるかと。次回作も期待!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-05-19 00:15:08] [修正:2010-06-02 14:52:23]

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