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6.95点(レビュー数:20人)

作者森恒二

巻数17巻 (完結)

連載誌ヤングアニマル:2008年~ / 白泉社

更新時刻 2009-11-25 00:46:57

あらすじ 自殺未遂を起こした青年、セイは病院のベッドから孤島へと送り込まれた。そこは自殺を繰り返す者達が送り込まれる島、通称、「自殺島」――。そこには他にもセイと同じ「自殺未遂者」達が送り込まれていたのだった。さらにそこでセイ達は自殺を図る人々を目の当たりにし、死への恐怖を感じた事から生きる事を決意。彼らの「自殺島」でのサバイバル生活が今、始まる…。

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この漫画のレビュー

6点 DEIMOSさん

自殺したい奴らを漫画で救いたい、って思ったとしたら、どんな漫画を描くだろう?

萌え美少女マンガを描いて、「どうぞ夢中になってください。」っていうアプローチなのか?
それとも、努力・勝利・友情の末のサクセスストーリーを描いて、「正統派少年漫画のように仲間見つけて楽しく頑張ればその向こう側にいいことあるんじゃね?」、っていう提示をするのか?

これらはかつては正しかったが将来に暗雲が立ち込めている現在の日本においては概ね誤謬だ。
上記のような作品の「嘘くささ」はもう皆知っている。それらのエンターテイメントは一時の慰みしか与えず、人生観に響くような感動は与えられない(ケースが多い)。
そういう意味では、この「自殺島」にはリアリティがある。

死にたい気持ちで生きている奴らが何を考えるか、どう行動するか、そのリアルがある。
人間が極限まで落ち込んだときの一つの行動指針として、「サバイバル」を取り上げたのは秀逸だ。しかも、そのサバイバルは、「仲間と」ではなく「一人で」だ。かくいう私も、落ち込んだときは一人で山に登る。そして、広大な自然の前に人間の無力さを思い知りながら、人里に生還したときの喜びを噛み締め、「生」を実感するのだ。

本書は、人生に絶望した奴らが、「生」を実感するための一つの指針を示した良書である。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-09-26 15:39:42] [修正:2010-09-26 15:39:42]

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