この漫画のレビュー
7点 朔太さん
プロ野球大好きの私にとって、全ての実在選手にあるあると
ハロルド作石氏の高いレベルのプロ野球への愛を感じます。
独特のユーモアセンスが私には心地よく、名作ゴリラーマン
に通じるエンターテイメントです。
ただし、12巻を通した苦言を呈しますと、高校生で実績の
なかった毒島がドラフト8位で入団以降のゆっくりとした
サクセスストーリーを期待しましたが、すぐにストッパーの
座を1年目で獲得したかと思うと、早過ぎる展開と思い
直したか、それ以降長く低迷してしまいます。
また、必殺の決め球を引っ提げて復活するも、いつのま
にかヘタレてました。
このようにメインシナリオが迷走しているのが、
長期連載できなかった主因と考えています。
終盤には、ミラクルアスレチックスのチームとしての
活躍を主軸に一気に物語が盛り上がってゴールという
展開に異論はありませんが、ちょっとプロ野球を舞台に
した話として違和感を感じます。
毒島はもちろん、本上も清水も佐世保も加瀬も、必死
過ぎるのですね。
高校野球なら理解できるのですが、選手寿命を終える
リスクを賭けてプレーするスタイルは、プロとは言えず
設定場面が違っています。
ハロルド作石氏の作品は、これ以降ややシリアス路線に
踏み出していますが、残念ながら本作とゴリラーマンの
独特の味わいが継続されず、失敗している感があります。
再度、元のセンスを復活してもらって、
楽しませてもらいたいものです。
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[投稿:2021-06-26 09:07:38] [修正:2021-06-26 09:13:13]