ホーム > 不明 > 描き下ろし > 凍りの掌 シベリア抑留記

6点(レビュー数:2人)

作者おざわゆき

巻数1巻 (完結)

連載誌描き下ろし:2012年~ / 小池書院

更新時刻 2016-09-23 18:03:28

あらすじ 小澤昌一は東洋大学予科の学生。戦況が悪化する昭和20年1月末、突然名古屋から父が上京し、直接手渡されたのは臨時召集令状だった。

備考 後に講談社(BE・LOVEコミックス)から新装版が発売された。

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凍りの掌 シベリア抑留記のレビュー

点数別:
1件~ 2件を表示/全2 件

7点 臼井健士さん

著者の父親がシベリア抑留の当事者であり、その伝聞について綴った作品。

太平洋戦争末期に学徒出陣になった著者の父親は北方の満州国とソ連との国境に配備された。
当時の日本はソ連と「日ソ中立条約」を結んでおり、不可侵の関係だった。

だから本格的な戦闘などとは無縁の比較的恵まれた環境かと思われた。
だが、終戦直前にソ連が日ソ中立条約を一方的に破棄して満州国に攻め込んできた。
脆弱な装備の日本軍がソ連軍に太刀打ちできるわけもなく多くの人々が捕虜になってしまい、そのまま終戦。

日本に帰国できるかと思われた捕虜たちだったが、連れて行かれたのは北方。永久凍土の極寒の地であった。
ナチスの収容所にも近い環境で劣悪な労働に従事させられる。
マイナス30度という想像を絶するような冬の寒さに食料も乏しく、多くの日本人兵士たちがバタバタと倒れていった。

さらにロシア兵からのイジメ、日本人同士の食べ物や待遇を巡っての争い・・・・・。
過酷な環境下では誰もが他人の身を案じることなど出来ず、人間の心を無くしていくのだった。

死者については30万人を超えるとも言われているが、社会主義のソ連は情報が外に漏れず、未だ不明な部分が多い。
祖国に帰ることを願って果たせなかった者たちの身は永久凍土の下に眠るとも、その魂は靖国へ導かれたことを祈らん。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-06-05 13:54:28] [修正:2019-06-05 13:54:28] [このレビューのURL]

5点 kikiさん

シベリアに抑留されていた作者さんの父親が実際に体験した物語。
内容的には残すべき貴重なものだと思うのですが、
せっかくのドラマチックなストーリーや展開が、
読んでいて淡々に描かれているのがもったいなく感じる。
もっとドロドロした葛藤や人間の醜い部分が描けていたら
傑作になっただろうなぁと思いました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-11-18 15:44:00] [修正:2016-11-18 15:44:00] [このレビューのURL]


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