アイスバーン 西村ツチカ短編集のレビュー
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6点 トニーモンタナさん
飄々とした描線ですが、質量があり、強く残ります。短編全体的に日常を違う角度から見たり、近眼的に見てた日常を遠視で見て日常を再解釈するみたいなテーマが一貫してると思います。日常と非日常がシームレスに行き交うのを瑞々しい感性で魅せます。
表題作が特に好きです。プラトニックと狂気は紙一重みたいな話です。俯瞰描写が青春の後悔とかに巧く効用してます。ラストの展開、前に進むことを視覚的にも内面的にも符号させるのは高揚します。
「ゲームくん」も至極の出来です。圧縮と解放などのコマ割りや擬音の配置など革新的なことをたくさんやってます。自由度が高く、実験的で物理的限度を超越した漫画的快楽の連続に眩暈します。
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[投稿:2020-05-08 21:14:28] [修正:2020-05-08 21:14:28] [このレビューのURL]